2013年8月22日木曜日

【松尾バイトのクリエータ入門講座 番外編】 紙メディアの役割を考えよう!

こんにちは

松尾バイトの「クリエータ養成講座」にランクアップしてから、すぐにみなさんからの反応があったので嬉しい限りです。

とはいえ、毎日まいにち講義やら実習に追い立てられるように過ごしてもらうのもなんなので、今日はこんなお話を織り交ぜてみます。

 面白い記事があったので注目。

 客引きの役目を終えつつあるコンビニの雑誌たち


 不破雷蔵さんというブロガーの方の記事なのですが、グラフがついていてわかりやすいのでぜひご参照ください。

 話の概要は、簡単。コンビニの表から見えるように並べてある雑誌たちですが、これまで立ち読みetcで「客引き」の要素もあったのだけれども、みんな雑誌を読まなくなってきたので、だんだん不要になりつつある、ということです。


 新聞も雑誌も売れてない!紙メディアはどうなるの!

といった声が、出版系業界全体から聞こえてきている昨今ですが、こうやっていろんな側面からその事実が改めて突きつけられている感じがしますね。

 記事の書き手さんは、ひとつ重要なポイントを示唆なさっています。

 雑誌を読んでいる読み手はどこへいったのか。

 かんたん。

 スマホを見てるんです。


 私は、この世界の事象を、基本的に科学的に考えようとしているのですが、出版業界がヤバイということはつまり、「質量保存の法則」なのです。

 化学反応の前と後で、物質の総質量は変わらない、というアレですよあれ。

 人間に与えられた24時間のうち、3分の1は寝ています。あとの3分の1は仕事。そしてあとの3分の1が、ご飯を食べたり、ごちゃごちゃしたり、そして暇つぶしをする時間なのです。

 つまり、人には8時間の暇しかなく、その8時間を本に費やしたり、食事に費やしたり、テレビをみたりするとすれば、スマホをいじる時間が増えれば増えるほど、他のことに費やす時間は減る、ということです。

 総数・総時間数は同じなので、モバゲーやらDeNAの株が上がるということは、旧来の出版社の株が下がるということなのです。

 任天堂の業績が落ち、SONYでリストラがはじまるのも、おなじ話です。



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ということは、ですよ!我々のようなzineファンであったり、紙メディア好きがやるべきことはひとつなのです。

電子からの、暇つぶし時間奪還計画!

これは、紙と電子とどっちが有用なメディアか、なんて話ではなく、どっちを触ったり読んだりするのが面白いか、ということに集約されますよね。


紙でも、電子でもどっちでも対応OKなコンテンツであれば、私はネットに載せます。だって、そのほうがたくさん読んで貰えるし、コストもかからないし、たぶん有益だから。

紙をいじる・触る・めくる・所有するといった楽しみを、いかに提示するか!これは難解にしてやりがいがあるパズルです。


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このお話に通じる、2つの事例を挙げておきます。クリエータ講座に出席なさっているみなさんは、今回の話を読んで、いろいろ自分なりに考えてみてください。紙はどうしたらいいのか!



事例1)「韓国の音楽市場の例」

 韓国にはMD(ミニディスク)が普及しなかったそうです。MDというのは現在では日本でも生産終了になってしまいましたが、CDの後に登場した「音楽を持ち歩くための手段」でした。

 CDは直径が12センチもあるので、持ち運びには不便です。そこでSONYは、CDの音質を下げて圧縮し、ちいさいディスクに入るようにしてMDを売り出しました。

 圧縮の方法はATRACといいますが、原理的にはMP3と同じです。聞こえない情報を省いたり、連続情報から省略してもいいところを切り取る方式です。

 さて、MDが普及しなかった韓国では、ポストCDとして、音楽ダウンロードが盛んになりました。(違法も含めて)なので、CDの後釜は、即携帯音楽プレーヤになってしまった訳です。

 日本人との考え方の違いが、ここらあたりから決定的に生まれます。日本人は、大事なCDは買います。ある程度どうでもいい音楽は、ダウンロードかもしれません。

 カセットやMDに移す、という行為を経ているため、「音楽は所有するもの」という観念に囚われているのが日本人です。

 韓国の人は、「音楽は聞き流すもの」と考えます。流行に応じて、消費するだけです。

 これは、どちらがいい悪いではありません。圧縮されたデータをどう扱うか、だけの問題です。


事例2)「いま、チェキが売れてます」

 世界的にチェキ(インスタントカメラ)が売れているそうです。本家本元の「ポラロイド」社はバタンキューしてしまったし、富士フィルムも、カメラ部門はすでに売り上げに貢献しておらず、最近は化粧品(化学薬品)なんかも扱っています。

 でも、インスタントカメラが売れているのです。(年間60万台のヒットらしい)

 パシャっと撮影したらジイーっと写真が出てくる。あの超アナログで使い古された技術を見て、最近の子は

「すっげえ!ハイテクじゃん!」

と言うそうです(笑)



 ☆参考文献☆ 

 zine部員で、当講座を受講している受講生さんは ↑ かならず読んでね。

 読解のヒント> 「チェキ」を「zine」に置き換えて考えてみよう。


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 ああ!講義をするつもりはなかったのに、しっかり授業になってしまいました。ごめんなさい。

 では、また次回。ご意見ご感想はコメント欄へ。



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