2013年12月20日金曜日

いま、命を絶とうとしている人へ。 ~おおかみこどもの雨と雪~



地上波で、「おおかみこどもの雨と雪」をやっている。この映画が好きとか、嫌いとか、そういうのはよくわからない。

それ以前に、あまり直視してこの映画を見られないからだ。



彼がおそらく生きていたら、この映画やこの作画や、このテイストがとても好きだっただろうし、おそらく彼が作ろうとした映画も、こういう感じに仕上がっていたのだろうな、と思う。

私は彼とはまったくちがう人格であるのに、彼が生きていたら「おおかみこどもの雨と雪」を絶賛したに違いない、ということだけは、わかっている。

それを確かめることは、すでにもうできないのだが。

なぜ、彼がこの映画を好きにちがいない、と推測しかつ断言できるか、といえば、

彼は私の一番弟子であり、

私の一番の友人であり、

一番のライバルでもあったからだ。




今年は彼が亡くなってから7年も経つらしい。あっという間の7年であったし、まだ7年なのかという感じもある。

昨日のことのようであり、はるか昔のことのようでもある。



それでも、こっち側の我々は生きていて、彼は死んでしまった。

いいこともわるいこともたくさんあったが、やっぱりこっち側で生きているほうが、いいと私は思う。

絶対に生きているほうがいい、と私は思う。




この7年間、彼に見せたかったものが山ほどあるし、彼にやってほしいことも山ほどあったし、彼とやりたいことも山ほどあった。しかし、それらが全く全然できない、ということは、壮絶に悲しいことだ。

彼が生きていたら、おそらく今の私なんかより、はるかに大きな人物になっていたにちがいない、と思う。

彼に負けないように、成果を残そうとしている私がいるが、おそらく永遠に彼には勝てそうにない。



物語は進行しているが、相変わらずテレビ画面を直視できそうにない。

ほんとうにあの世とやらがあるのなら、どんな手段でもいいから化けて出て来い、と心から思う。

話したい事は山ほどあるし、聞きたいことも山ほどある。

だが、それは絶対に叶わないことなので、心底悔しくて仕方がない。




もし、どこかにこれから自分で自分の命を絶とうとしている人がいるなら、やめとけ。

いや、やめてくれ。お願いだからやめてほしい。

あなたと話がしたかったり、あなたの話を聞きたいと思っている他人が、かならずどこかにいるからだ。