2013年7月31日水曜日

【松尾バイトの「クリエータ入門講座」9】 売れるクリエータと売れないクリエータの違いとは?


こんにちは


 今日、ダイヤモンドオンラインを読んでいたら、面白い記事があったのでご紹介します。


 (ふだんの私は、ビジネスマンなので、ビジネス記事だって読みます)


 

 「認められたい私、認めてくれない社会 ~承認不安時代の生き方~」


 http://diamond.jp/articles/-/39524


 梅田カズヒコさんという方が書いておられる連載の第一回ですが、「若者の行動原理は『認められたい』という承認欲求にある、というところから話がはじまります(^^





 私の「クリエータ入門講座」で扱っているテーマも、実は「創作者として、いかに認められるか」という話ですから、根っこの部分では繋がっているのではないでしょうか?


 

 ちょっと、穿った見方をすれば、昨今の若い人たちの創作欲求の根っこにも、「実際の社会生活で認められないから、せめて創作活動のジャンルで立ち位置を生み出したい!」という気持ちを抱いている方も、実は多いのではないかと思います。


 このあたりは、深層心理的に、けっこうシビアです。そして、現実問題として、「ふだんの生活からの逃避の先に、創作があるのであれば、そりゃ創作活動でも結果は出ないわな」と苦笑せざるを得ないところがあるというか・・・。


 ごめんなさい。私は既に40近いおっさんなので、どうしても手厳しい言い方・見方をしてしまいますね(^^;許して下さい。




 さて、梅田さんの記事に戻ります。ひと昔前までは「何かを手に入れたい」という欲求が自己承認欲求と端的に結びついていました。


 たとえば、わかりやすいのが「いい車に乗りたい・いいブランドのバッグがほしい」というヤツです。


 いい車を手に入れる、ということが、社会的に認知され、かっこいいと認められた時代は、「いい車を持っているから、俺はすごいんだ」ということが成り立ちました。ブランドの服を着ているから、「あたしはイケてる」というのも同じです。


 ところが、モノがあふれるようになり、モノ中心の価値観が崩壊すると「いいモノを持っているから、認められるべき人間である」とは、回りから思ってもらえなくなります。


 したがって、「認められる」ための新たな基準や、価値尺度が必要になるわけですが、これだけ価値観が多様化してくると、何を持って「認められる」のかもわからなくなってきます。



 実際問題、現代の若者はその尺度を求めてさまよっていると言っていいでしょう。


 いいねの数だとか、リツートの数だとか、SNSにいろいろベタベタ貼るとか、みんな彷徨ってます(笑)



 

 この連載のテーマも、「何者でもないワタシ・アナタが何者かになるための方法」ですから、みなさんの価値尺度探しの旅の一助になっているわけでもあります。そして、クリエータとして、何かを残す、というのは、立派な「認められる」ための価値基準のひとつです。






 さて、先日「認められる」ことには段階がある、として3つのステップのお話をしました。梅田さんの記事によると、今度は段階ではなく、範囲もあるそうです。



 ①家族や親しい人たちに「認められる」こと


 ②ルールによって役割を与えられたグループの中で「認められる」こと


 ③世間一般から「認められる」こと



 この間お話をした、「クラスタ内で認められる」「社会で誰からも認められる」というレベルの話ともまろやかにリンクしているところがありますが、今回の①~③の分類は、自分の身近なところから社会生活へ向かって、広がっていくイメージですね。


 梅田さんの記事は、今後このあたりを社会的側面から考察なさると思いますが、私も楽しみに読み進めようと思っています。






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さて、もうひとネタ。


 今度は少し古めの「女性自身」さんのネット記事から。これも面白いです。



 お笑い事務所の講師が明かす「売れる芸人」「消える芸人」の境界線。

 http://jisin.jp/serial/%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E3%82%B9%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%84/flash/5160

 

 

 よしもと、サンミュージック、松竹のお笑い事務所講師の方が、それぞれ「3つのポイント」を挙げて下さってます。


 売れる芸人と消える芸人という言葉を、「売れるクリエータ」「消えるクリエータ」と読み替えたらどうなるか!


 今回、全く偶然にこの記事を見つけたのですが、「あれ?この話、このクリエータ講座で説明したぞ?」ということが意外に多いように思います。



<よしもとNSC講師の方>


①必要なのは99パーセントの素質と1パーセントの努力

②一方通行ではなく、誰のためにやっているかを認識

③ウケない理由を自分で分析できること


 誰のためにやっているかを認識せよ!ということは、この講座の第8回で説明しています。


 新しくでてきたポイントとしては、3番の「なぜ自分が世に出ていないか」を客観的に分析できることが大事です。


 同じように同人活動をやっていたり、zineを出していたり、いろんな創作的活動をやっているのに、Aさんは何がしかの成果を出していて、アナタ・ワタシは成果が出ていないとします。


 その違いがわかる人は、成長します。でも、たいていの人にはその違いがわかりません。クリエータ初心者のみなさんは、「そんなんわからない」で全然かまいません。


 ただし、わからなくてもいいですが、成果を出している人から目をそむけないでください。目を背けてそうした人たちの存在を無視したとき、安西先生風に言えば「そこで、試合終了」です。


 なので、成果を出している人たちをよく観察して、自分との違いを発見するプロセスに意義があります。その間に、おそらく自分のしょうもない小さなプライドと向き合わざるを得ず、苦悩するでしょう。


 その苦悩を乗り越えられたら、「違いがおのずと見えてくる」のです。



 

<サンミュージックの方>


①とにかくマメであること

②努力+大物を?む要領のよさ

③バイト先で社員に勧誘される人




 3番の「バイト先で社員に勧誘される」はいつも言っていることです。ふだんの仕事で頑張れる人は、創作活動でも頑張れる、というヤツです。ジャンルは違っても、「力を発揮できる」体制をとっているからです。


 1番と2番は、言い方を代えれば、「いい営業マンになれるよね」ということです。




<松竹芸能スクールの方>


①ファーストインパクトの強さ

②得意ジャンルのスペシャリスト

③自分を客観的に見られる人




 1番と2番は、特殊で一部の人しか身につけられないかもしれません。そういう意味では万人向けではないです。しかし、3番は万人に共通しています。


 よしもとの方が③で言っていることと同じです。





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☆この講座では、読者のみなさんからの素朴な質問などもお待ちしています。可能な限り、何らかの回答をしてゆきたいと思っています。





 では次回をお楽しみに!


2013年7月29日月曜日

【松尾バイトの「クリエータ入門講座」8】 あなたの作品は誰のためのもの?



みなさんこんにちは。

私はふだん、普通の会社勤めをしています。その休日やら、帰宅後の時間を利用して創作に関わる活動をしているのですが、忙しい時は、少しの時間も惜しんで何かを進める、ということもあります。

特にこの夏は忙しくて、公的なイベントに呼ばれて講師をしたり、私的なグループの方に招かれてレッスンめいたことをしたり、とバタバタしていました。ま た、合間を縫うように次のステップの打ち合わせをすることも多く、気がつけば日曜日はかならず何かしらクリエイティブな活動を組み込んでいる、ということ になっていました。

というわけで、来月からはちょっと休みます(^^ イベントの入れすぎはダメですね。


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さて、これまで「松尾バイト」としてはあまりたいした活動をしてきませんでしたが、いよいよZINE作りや手作り本関係のイベントが実施できそうなので、その進行具合もレポートできれば面白いですね。

どうやって創作活動が進んでいくのか、という裏話をしてゆくつもりです。


今回、「本作り」イベントを実施するに当たっては、事前に公的施設のイベント担当の方といかに四方山話をしておくか、というところがスタートになります。

もちろん、私は音楽関係のイベント講師として担当の方にお会いして、そちらの準備を進めてきているわけです。その際に、「この施設ではどういう企画が求められているのか」ということをリサーチします。

今回は音楽系イベント講師として参入しているけれど、別のネタでもこの施設と関わることができそうかどうか、ということを事前に考えているわけです。

そこで、担当者さんの意向や、施設全体のイベント企画・戦略を尋ねてゆく中で、「あ、これはコラボできそう」というネタがあれば、資料とサンプルを持参して「私はこういうのもやってるので、もしそちらの企画と合いそうなら使ってね!」という話をするわけです。

没になることもあるし、採用されることもある。しかし、種をまいておけば、直接その施設とは関係なくても、別の関係者の方から「うちでやってみたい!」というオファーをもらうこともあるわけです。


そういう人づてのつながりで、私はこれまで5つくらいの公的施設でイベントを実施することができました。ちなみにすべて、そうした公的施設さんが主催のイベントに招かれていますので、施設を借りて私が勝手に実施しているわけではない、というところがポイントです。

その施設の方が「こういうイベントを実施したい!」というイメージをもっておられて、その実現のお手伝いをしているわけですね。



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今書いたような動きは、ひとことで言えば「営業」をする、ということです。クリエータを目指す方の中には「自分は職人であって、営業なんてできない、嫌だ」と思っておられる方がいるかもしれません。

しかし、初期の段階で申し添えておきますが、営業ができないクリエータは、生き残るのが厳しいと言わざるを得ません。

昔は、職人でも成立したところがあって、それは大手の出版社などでは、「編集者」ががっちりついてくれたり、育ててくれたりするシステムがあったからです。

しかし、最近はそうした余力も企業側にないので、「即戦力であって、それを的確にプレゼンできる人材」が優先的に目に留まってくるのは仕方ありません。


プレゼン能力とは、youtube動画でカウント数を獲ってくる力であったり、コンテストで有力者の目に留まる力であったり、あるいは「いいね!」の数として評価されることもあります。

しかし、「ふつうのクリエータが数万回の再生回数やいいねをもらえる」というのも非現実的なので、現実的には「人脈・人づて」を生かして仕事や作品につなげていくのが日々だと思います。

つまり、コミュニケーション能力や営業能力が、あなたの作品作りの基幹部分に食い込んでくるわけです。それが厳しければ、やっぱり大手企業の「編集者に発見してもらう」以外に、創作活動だけで食べていくのは難しいと言わざるを得ないでしょう。

(あるいは、デザイン事務所に入るとか、印刷会社のそうした部門で働くとか、ゲーム会社に就職するとか、いわゆるひとつの企業人として生きていくかです。その場合、社内でもっとコミュニケーション能力が必要とされますが)


時には、飛び込み営業をすることも必要です。これは、昔から小説や漫画の世界では「持ち込み」なんて呼ばれたりしました。

結局、創作活動も、企業活動も、それを仕事としてきちんと動かしてゆくということは「同じことをする」わけです。

だから、これまでの講座でもいろんな方が言っていたように、「ふだんの仕事がきちんとできない者に、創作活動がうまくできるはずがない」という部分に繋がってくるのです。



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<今日のワンポイントアドバイス>

あなたの創作物は「誰のための作品」でしょうか?その作品は、誰のために作られているものですか?

本だったら、「読んで欲しい読者層」というターゲットはいますか?

絵だったら「その絵を気に入ってくれそうなジャンルの人たち」を想定していますか?


直接的な「相手」だけでなく、間接的な相手も存在します。たとえば、今日説明したようなイベントを実施する場合、最終的にイベントに参加してくださるお客 さんだけでなく、そのイベントを企画したり実施したりする主催者さんにとっても意義のあるものかどうか、自問自答することが必要です。

その場合、あなたの創作物の相手は2者存在することになります。参加してくださるお客さんと、主催者のみなさん。その両者にきちんと向き合っているでしょうか?


たいていの初心者クリエータは「自分が作りたいものを作る」なんてことを言います。もちろん、ただの素人であれば、それで全く問題ありません。自分が作りたいものを自分で勝手に作ればいいんです。

ただし、それを他者に提供したり、他者と共有する場合には「相手が参加して喜ぶものを作る」べきです。それがプロを目指す第一歩だからです。



☆この講座では、読者のみなさんからの素朴な質問などもお待ちしています。可能な限り、何らかの回答をしてゆきたいと思っています。




では次回をお楽しみに!

2013年7月27日土曜日

【松尾バイトの「クリエータ入門講座」7】 クリエイティブになる方法 ラスト

 みなさんこんにちは。

 長々と読み進めてきたHugh MacLeodさんの話も今回でいよいよ完結編です(^^

  
 クリエイティブになる方法30

最後に近づいてくると、やや濃い内容になるかな?


21)「売れ線をねらう」のは難しい。

 これは私も同感です。創作物をたくさん作っていく中で「これはウケるんじゃないかな?」と思って提案した作品で、当たるものもあれば当たらないものもあります。その違いがナゼなのか、とか、いろいろ考えてみてもわからない部分もあったりして、作り手からみれば「運」のように見えることもあります。

 その一方で、ある程度計算して提示した作品が受け入れられることも、もちろんあります。そういうときは、「ほらね!やっぱり」と思うのですが、こういうのはつまり『当たり・はずれ』を読むことはすなわち経験が増える、ということだと思うのです。

 経験でカバーできる部分と、何がヒットするかわからない爆発力に寄るところ。こういう不思議が、面白いのですが(^^;


22)「誰も親身になってくれない」

 これも本当。なので、誰かや何かとコラボする時は、「名前だけ借りる」くらいの気持ちで、後は全部自分でやる必要があります。50対50で仕事が進むなんてことはありません。かなりの協力体制を敷いても80対20くらいです。

 口約束で「一緒にやるか~」ぐらいの場合、90対10くらいで自分の方がエネルギーを投入しないといけないわけで。そうしなければ、その企画は早い段階でポシャります。



23) 芸術VSビジネスの議論は、無駄。

 自分の活動が芸術だと思っている人は、それが一生お金にならなくても文句を言ってはいけません。
逆に、なんと言ってもビジネス面の成功を第一義に置く人は、違う投資をしたほうが利益が大きいかもしれません。

 創作活動というのは、芸術性とビジネス性の両面をもともと併せ持っています。たくさんの人に「気に入ってもらう」ということは、ビジネスでの成功にもつながります。

 大金持ちのパトロンの気にいった作品だけを描いていた貴族付画家なんて、現代ではナンセンスなのですから、民主主義で資本主義に生きている以上、芸術も多少は民主的で資本的にならざるを得ません

 スティーブジョブズが、世界一の大金持ちだったビルゲイツのためだけに電子デバイスを設計したとしたら、彼がこれほど賞賛されたでしょうか?

 大衆のためのコンピュータを生み出し、そして、それが売り上げ一位をたたき出したからこそ、ジョブズの作品は「美しい」と言ってもらえるのです。



24) インスピレーションは、降りてくるものだ。

 アイデアは、突然に降りてきます。もちろん、そこに至るまでいろいろもがいている必要もありますが、人事を尽くしたあとは天命を待ちましょう。 


25) <内容が前と似ているので省略>


26) <省略>


27)認められるために大切なのは、認められることを必要としないこと。

 禅問答みたいですが「有名になりたいと思っている間は、有名になれない。夢中にそれをやり続けていれば、そのことでいつの間にか有名になっている」ということです。

 「愛してほしい」と思っている人はなかなか愛されません。しかし、そんなことは度外視して、生き生き過ごしている人は、周りから愛されます。


28)<省略>

29)どんな選択をしても、年貢の納め時はやってくる。

 私の好きなことばで「自分のケツは自分で拭かねばならない」というのがあります。逆の見方をすれば、自分で最後のケツ拭きをする覚悟があれば、どんな選択でもできる、ということです。

 そして、そのことについて後からグダグダ文句や言い訳をしない、ということ!


30)<あんまりたいした内容じゃないので省略>



さて、以前サイトに載っていたらしい31~38までのうち、大事なのをピックアップします。


31)倹約家であれ。

 これは、私はいつも「消費するな、創造せよ」と言い換えています。

 10万円のデジカメを買ったら、10万以上のお金をたたき出す作品を生み出しなさい。

 100円の色鉛筆でも、100円以上の価値のある作品を描きなさい。

 自分にごほうび、なんて発想は捨ててください。

 
35)無名でいられる期間を楽しめ。

 まさにそうです。もっとも純粋な創作活動ができるのは、まったくの無名時代のみです。


36)ブログを書け。

 これも結果論ですが、クリエータとして何も残せていない人は、ブログの更新が滞っています。

 私ですらそうです。松尾バイトとして活動できていないので、ブログも書けていません。

 しかし、別名義のほうは、書くことが山ほどあって、どんどん更新されています。

 なので、松尾バイトとして「何かを残す」ために、このブログの更新頻度を上げることにしたのです。



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<今日のワンポイントアドバイス>

 本気でクリエータを目指す人は、金銭出納帳を一冊準備してください。そして、自分の創作活動に費やしたお金をそこに残さず記録して、レシートをすべて別のノートに貼り付けていってください。

 これは、つまりあなたが創作活動に費やした「経費」です。

 そして、あなたの作品がほんの少しでも何がしかのお金に換わったら、今度は売り上げを記録してください。

 経費と売り上げをきちんとつけてゆくと、愕然とすると思います。クリエータ初心者は、最初かなりの驚愕赤字でスタートするからです。

 さて、何年間で単年度赤字から黒字へ変換できるでしょうか?自分で自分をリストラするはめにならないよう、努力してくださいね(^^;

 
 ワタシはクリエータだから、こんな材料使ってるの。ウフ!とか思いながら、ただ単に散財していませんか?
 その材料をつかっていることを認めてくれる購入者がいてこそ、その材料が価値を生み出してきます。

 
 私の場合、某活動では黒字転換に3~4年かかりました。別の活動でも2年ほどかかりました。そして、活動が停滞すると、すぐに利益分が吹っ飛んでいきます。

 継続してクオリティの高いものを作っていくのは、とても大変なことです。


☆この講座では、読者のみなさんからの素朴な質問などもお待ちしています。可能な限り、何らかの回答をしてゆきたいと思っています。




 では次回をお楽しみに!

2013年7月26日金曜日

【松尾バイトの「クリエータ入門講座」6】 有名になりたい!有名になるには3つの段階がある!

 みなさんこんにちは

 第4回で「有名になる」ことについてのお話を書きましたが、とある人のネット記事を読んでいて、「有名になる」ことについては3つくらいの段階がある、というネタがあったので今日は、そのことについて。

 しかしながら、実はその元ネタ記事を読んだのがずいぶん前で、今回まったく検索できなくて、調べてもひっかかってこなかったので、内容は少しだけうろ覚えですがごめんなさい。

(もし、この話・元ネタを知っている人がいたら教えてください)


 有名になりたくて創作活動をしているわけではない!というアナタ・ワタシも、クリエータとして認知される中で大事な話なので、ぜひご一読を。


 その話というのは、一口で「有名になる」というのは簡単だけれども、段階的に3つくらいのステップがあるよ、という内容でした。


<第一段階> あるクラスタ(集団・業界)内で、有名になる。

<第二段階> より大きなクラスタの中で有名になるか、クラスタをまたがって有名になる。

<第三段階> 誰もが知っている有名人になる。


 クラスタ、という言葉が流行しだしたのはやや最近のことなので、私も記事を読んだときには「へえ、クラスタ」って言うんだ、と驚いたのですが(←世間にうとい?)そのあたりはまろやかに言い換えながら説明します。


 あ、ちなみにきっちり上の3段階だったかどうかはうろ覚えですので、ごめんなさいね。





<第一段階> あるクラスタの中で有名になる、とは。

 たとえば、短歌好きの愛好家の集合体のことを、ネット上では「短歌クラスタ」なんて呼ぶそうです。クラスタとはもともと「房(ふさ)」のことで、おなじようなものが密集している様子から転じているようで。

 クラスタでわかりにくければ、「グループ・集団」でもいいでしょう。

 有名になる、という表現が嫌いなら「一目置かれる」でもいいでしょう。


 アナタ・ワタシがクリエータとして何か創作活動めいたことをはじめた場合、まずはそのジャンルの愛好家の中で一目置かれる存在になることがスタートです。

 アニメ好きとか、イラスト好き、とかあるジャンルの愛好家は、山ほどいます。その中で「ああ、○○さんの作品、いいよね」とそのクラスタの内側で認知されること、これがクリエータとして結果を残す第一歩なわけです。

 たとえば、手作り本を作っている人たちが日本中に散らばっているとして、その中で豆本をメインに活動なさっている方がおられます。

 豆本クラスタの中で、「○○さん、ネットにたくさん作品を発表してるなあ」とか、「○○さんは定期的にワークショップをやってるなあ」とか、そういう認知を得る。これが第一段階ですね。

(別に、クラスタ内で一番にならねばならん、とかそういうことではありません)




<第二段階> より大きなクラスタ、あるいはクラスタをまたがって有名になる、とは。

 創作ジャンルは豆本だったとしても、より大きなクラスタ「手製本好きな人たち」とか「自主出版好きな人たち」に所属しているという認識も持つべきです。

 そうすると、ひと廻り、あるいはふた廻り大きなクラスタの中で、さらに認知を得ることが次のステップです。
 より大きなクラスタの中での認知は「○○さん?ああ、手製本の中でも『豆本』が得意なあの人ね」という感じですね。

 あるいは、クラスタ間の横のつながりというのもあります。豆本の例で言えば「手作り雑貨」のクラスタの人からも認知されるとか、「アクセサリー好き」クラスタとか、多少関連性がありそうな別クラスタからも一目おかれる、ということです。





<第三段階> 誰もが知っている有名人、とは。

 このクラスになると、テレビに出ないと無理です。クリエータ初心者がこのレベルに到達するには、運と実力といろんなバックグラウンドが必要になります。

 残念ながら「豆本」の例では、誰もが知っている有名人はいませんので、例を変えますが、

「料理研究家」だったらどうでしょう?ちょっとピンときますよね!


 料理好きクラスタに属する人は、ものすごい数おられます。そこから、一部の人たちが料理教室を開くことができ、またそこから一部の実力者が本を出します。

 本を出した時点で、その人の名前は別クラスタ(出版業界など)にも認知されるようになります。そして出版業界の中で「あの人の本が売れている らしい!」となると、別の出版社からもオファーがかかったりします。そして、最終的にテレビに出て→すべてうまくいくと売れっ子料理研究家としていろんな 番組に顔を出せるようになるわけです。


 料理研究家だけでなく、「タレント」さんや「芸人」さんも、同じようなステップを踏みます。誰もが知っている有名人になるということは、並大抵のことではありません。




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 ということは、第三段階まで行くことは稀なことだとしても、クリエータが受ける評価として重要なのは、まずは第一・第二段階、ということになるでしょう。

 もっと絞り込めば、第一段階だけで十分クリエータとしてひとり立ちできる、とも言えます。

 仕事の面で言えば、そのジャンル・業界で一目おかれる人には仕事がきちんと回ってくるからです。

 第二段階まで行けば、クリエータとしてはもう超!有名人に等しい、かもしれません。


 ちょっとマニアックな例を出してみます。スタジオジブリで言えば、

  宮崎駿さん  → 言うまでもなく第三段階まで行った人

  近藤勝也さん

 → 知ってる人にとっては有名人ですが、そこらへんのおばちゃんは全く知りません。つまり、第二段階ですが、業界では超一流ってことになります。

  庵野秀明さん

 → 超有名なエヴァ監督といえども、実はアニメファン以外にとっては「誰?」という第二段階の方ということに。風立ちぬ、で露出が増えてきたので、第三段階の階段を上っている最中かも?!

  
  こうやって書き出してみるとわかりますが、第二段階へいくことすらかなり超絶なことなのです。

  ですから、アナタ・ワタシがまずやるべきことは、所属するクラスタ内で、しっかり作品を出していくことです。同業の方・同じ趣味の方に「○○さん!知ってる!」と言ってもらえるよう、頑張ってみてください。



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<今日のワンポイントアドバイス>

 作品リストとプロフィールを持つ。

 クリエータにとって、作品リストは履歴書と同じです。なので、これまでに自分が作ったもののリストを作成してみてください。

 それにプロフィール自己紹介を加えて、自分で眺めてみます。


 その紙を誰かに渡せるかどうかを想像してみてください。

「こんなの、恥ずかしくて渡せないわ」
という状況なら、リストに上がっている作品の内容・数が稚拙なのだと思います。

「いちおう、こんなことやってます」
と恐縮しながらでも相手に渡せそうなら、自信のある作品づくりを進めてきた証明ですから、そのまま頑張ってください。


 実は、自己紹介の内容なんてあんまり関係ないと気付いたらしめたもの!そうです。

 クリエータとは、「自分のパーソナリティがものを言うのではなく、「自分の作品たちがものを言う」からです。





☆この講座では、読者のみなさんからの素朴な質問などもお待ちしています。可能な限り、何らかの回答をしてゆきたいと思っています。




 では次回をお楽しみに!

2013年7月25日木曜日

【松尾バイトの「クリエータ入門講座」5】 クリエイティブになる方法 つづき

 
 
 みなさんこんにちは

 今回は、元に戻って、Hugh MacLeodさんの話をもう少し読み進めて行きましょう。

  
 クリエイティブになる方法30


⑪ 人ごみの中で目立とうと思うな、人ごみそのものを避けろ

 誰もが参入しているジャンルで戦うことは大変です。しかし、まだ誰も挑戦していないジャンルだったら非力なアナタ・ワタシにもチャンスがあります。

 そのためには、とにかくたくさんの新しいアイデアを書き出さなくてはなりません。

 私は、基本的に誰もやってないことをメインに活動しています。だからSEO対策なんかしなくても、検索エンジンでかならず上位に来ます(笑)
 というか、他にそんなことやろうというヤツがいないだけです(^^;



⑫ <省略>

⑬ <省略>

⑭ 「早死に」は過大評価されすぎる

 ジェームス・ディーンも尾崎豊も、早く亡くなったからこそ伝説になったわけで。もし生きていれば、「あの人は今」のお世話になっていることでしょう。プレスリーと亀山努氏が、昔はイケてた太っちょになってしまったのも、有名な話。

 とはいえ、まだ何者にもなっていないアナタ・ワタシが今亡くなることは、世間にとっては全くどうでもいいことです。

 死ぬのはまだまだもったいない。「生きろ」ともののけ姫も言ってます。あ、ちがうわアシタカだ。



⑮ 何を引き受けて、何を断るか。それがプロだ。


 創作活動は、純粋無垢な活動ではありません。この世界で生きている限り、多かれ少なかれ「現金」に変化して取引されます。

 お金をもらう以上、顧客の主体性の下で創作活動を行うことになりますので、その中でアナタ・ワタシの個性や考えを最大限発揮するには「YES」か「NO」かをはっきりさせなくてはいけない時がきます。


 私は、ある楽器を製作して、プロからアマチュアまでいろんな人に買ってもらっていますが、はじめとても安い値段で提供していました。それはど ちらかといえば「利益なしでみなさんに純粋に喜んでもらおう」と思ってのことでしたが、大量に注文が入りすぎて、さばき切れなくなってきました。

 そこで、思い切って値上げしたところ、やっぱり注文はやってきます(苦笑)

 今度は、はっきり「作るのに最低1ヶ月はかかりますが、いいですか?」と明言することにしました。



⑯ 世界は常に変化し続けている


 赤川次郎さんという作家が、一大ブームを巻き起こしたことがあります。小室哲哉さんが、ミュージックシーンを総なめにしたことも。

 大作家・大音楽家・大クリエータといえども、ずっと第一線で活躍できるわけではありません。大波小波や、場合によっては壮大な一発屋であることも起こりえます。

 それだけ、時代は常に変動しているわけで、作り手も常に変化を求められています。


⑰ 情熱は買えない

 「プライスレス」のCMみたいですが、クリエータになりたい!何かを作りたい!という情熱だけは、紛れもなくアナタ・ワタシだけのものです。特権と言ってもいいかもしれません。

 その特権を生かすも殺すも眠らせるのも、もちろんアナタ・ワタシ自身にかかっています。


⑱ <省略>

⑲ 自分の声で歌え


 私の教え子で、とてもすばらしい映像を撮る子がいたのですが、ずっと私は彼のファンでした。私のほうがはるかに年上ですが、「彼にはいずれ追い抜かれるだろう」とわかっていました。

 ところが、彼はとある映画の製作途中に自殺してしまい、もう彼の作品を見ることはできなくなりました。

 あれから数年が過ぎ、いろんなクリエータの作品を見るたびに「ああ、これは彼のテイストに似ているな」とか、「彼だったらこうするだろうな」と思うのですが、彼はもう存在しません。

 
 アナタ・ワタシの作る作品は、代替が利きません。アナタの代わりは、おそらく世界中のどこを探してもいないでしょう。



⑳ 媒体にこだわるな

 Zineに関わるようになってから、紙メディアにちょっとだけこだわる気持ちもあるのですが、実際にはいろんなメディアにはそれぞれの特性があるので、使い分けることが大事です。

 私の場合は、地域についても念頭に入れるようにしています。地元(市・県レベル)での活動と全国に向けてのPRをある程度切り分けながら情報発信もしています。

 音楽系活動では、youtube(動画)・ブログ(情報発信)・ウェブページ(発行物の案内)・地域での講座・ワークショップ(実演)・zine(紙媒体とチラシ)などが有機的にリンクするように心がけているつもりです。

 

 とりいそぎ、今日はこのへんで!



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<今日のワンポイントアドバイス>

 いろいろやってみたいことがある人。アイデアはざっくり持っているんだけど・・・。という人、そういう人におすすめのことばがあります。

 「いつやるの?・・・今でしょ!!!」




☆この講座では、読者のみなさんからの素朴な質問などもお待ちしています。可能な限り、何らかの回答をしてゆきたいと思っています。




 では次回をお楽しみに!



2013年7月23日火曜日

【松尾バイトの「クリエータ入門講座」4】認められるというのは共感を得ること。




みなさんこんにちは。

第3回までが濃い話だったので、少しこれまでのネタから離れてお話しようと思います。


 「有名になりたい」

という気持ちは、誰にでもあるものだと思います。「有名になりたい」というのがちょっとやらしい(性的な意味じゃなくて)感じがして嫌だ、というのなら

 「認められたい」

でもいいでしょう。


少なくとも、クリエータになりたいなあ、という漠然とした気持ちの裏には、「有名になりたい」「認められたい」という心理が働いていることは否めません。



ところが、私の場合はちょっと変わっていて、「有名になりたくない」という変な病にかかっています。

そのため、何かのネタでちょっとだけ有名になっても、それはそれで封印しておいて別名で活動をはじめてしまうのです。

(ご存知の方もおられると思いますが、私はたくさん名前を使い分けています)

このブログは松尾バイト、という名前で活動していますが、本名も含めて別に3、4つくらい名義があります。

それぞれ、別の内容で頑張っていますので、そっちの分野で見知っておられる方には、「やあ、どうもどうもお世話になっております」です。



本来ならば、ひとつの名前を包括的に使って「マルチクリエータ」として活躍するのがいいのでしょうが、どうも性分に合いません。

(ハイパーメディアクリータなる肩書きがあるそうですが、離婚の話はどこへ行ったのでしょう)


そんなことを思っていたら、ハリーポッターの作者のローリングさんも、おんなじようなことをしていて、別名義で小説を書いておられたようですね。


彼女がどういう意図でそうしたのかはわかりませんが、おそらく「色眼鏡なしで見て欲しい」ということだったのではないでしょうか?

彼女の場合、「有名になりたい」はもう満たされているし、「認められたい」も大丈夫のはず。それでもなお別名義を使うのは、

「状況が変わっても、きちんと評価してほしい」


ということなのだと思います。それは、クリエータが本質的に持っている「正当に・きちんと・公正に・公平に見て私の創作物はどうなの?」という評価への渇望です。




ちなみに私の場合は、毎回新鮮で、まったくのゼロスタートで登っていくのが楽しいので名義を分けています。

あと、創作のジャンル分けによって、多少名前を使い分けているところがあるかも。(どうしても領域がカブってくることはあるのですが)

将来的には、20個くらいの名前を持つ予定です。

怪人二十相
を目指していますので。





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閑話休題。

告知です。スマートほんの第二弾を作ろうと思っていますが、プロジェクトに乗っかりたい人はいますか?


第一弾は、たくさんの人が真似してくれたり、システムを活用してくださっているので嬉しいです。

第二弾についてはおっそろしくありえない感じの「次世代の本」を目指しています。

「じぇじぇじぇ!」

間違いなしです。

グーテンベルクもクリビッテンギョーな本を作ります。



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もとい。

話は戻って、「作品が認められる」ということはどういうことでしょう。それは、一言で言えば「共感を得る」ということだと思います。

その創作物に触れて「心地よかった」り、「あるある」と思ったり、「自分に置き換え」たり、いろんな意味で見る者と共通認識が生まれるということが、一番簡単な「認められ方」だと思います。

もちろん、中には「これまでに全く存在しないような尖った凄いもの!」とか「あまりにも前衛的で凄すぎる!」作品が認められることがあるかもしれませんが、それは100件のうち1件くらいでしょう。

また、そういうものは、展示されていても、ふつうの人には

「さっぱりわからない」

ものなので、一部の人にしか理解されません。99件のクリエータは、けっこう普通の市井の人たちの中で楽しくやっているわけです。


ということは、クリエータを目指す「アナタ・ワタシ」にとって、「別に特別に凄いものを作らなくてもいい」ということでもあります。

ドラゴンボールもワンピースも、基本はベタです。ベタベタだけど、それが共感を生む。わかりやすさととっつきやすさは、それだけで「力(パワー)」なのです。

ただし、「独特」「すこし人と違う」ことは重要なファクターです。「その人らしい特徴がある」でもいいでしょう。




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<今日のワンポイントアドバイス>


たった一人で創作活動を続けている人にとって、本当に必要なモノはなんだと思いますか?

才能? 予算? 創作のための時間? エキセントリックなひらめき?

いえいえ、そういうものも大事ですが、もしそれらを手に入れてもあまり状況は変わりません。

本当に必要なのは、あなたにとってのプロデューサーです。誰かアナタ・ワタシを売り出してくれる方はいないのでしょうか?

「そんな人に出会えるなら、苦労はしない!」

とおっしゃるかもしれません。

そうです!アナタ・ワタシはその人に出会うための苦労をしていないのです。だから出会えていない(笑)

まず、コンテストに応募し、絵描きさんならpixvに載せ、作家志望なら賞に応募してください。コンテストがないなら、「ここぞ!」というところに送りつけてください。あるいは、コミケに作品を持っていきましょう。

いろんなツテをくまなく当たってみてください。

フリーで生き延びるために必死なクリエイタは、みんなやってます。

「今度編集の方紹介してくださいよ!」と。

やってない素人が、勝てるわけないじゃないですか。そして、プロがそれをやるのは恥ずかしいかもしれないけれど、素人だから恥ずかしくないでしょ?(笑)

素人のくせに「そんなの恥ずかしい」というのであれば、一生普通の人として暮らせば、全然恥ずかしくない生活ができます。


「初心者クリエータにとって、恥ずかしさと成果は、リスクとリターンである」by松尾バイト



☆この講座では、読者のみなさんからの素朴な質問などもお待ちしています。可能な限り、何らかの回答をしてゆきたいと思っています。




では次回をお楽しみに!

2013年7月22日月曜日

【松尾バイトの「クリエータ入門講座」3】 クリエイティブになる30の方法

みなさんこんにちは。

あれだけ更新の遅かった私が、なぜかテンポよく書きまくっているのは、たぶん暑さにうなされているからでしょう(笑)・・・熱中症です。


さて、第3回は、このあいだの続きです。Hugh MacLeodというおっさんの提言にもう少しつきあってみましょう。

(元ネタ)
クリエイティブになる方法30
http://www.lifehacker.jp/2011/12/111215ignoreeverybody.html

今日は4つめの項目から見てゆきます。



④誰か強い権限を持つ人に見つけ出してもらわないとダメなネタは、厳しい。


簡単に言えば、いきなり「少年ジャンプ」でデビューしたい!とか、秋元康に見出してもらいたい!とか、そういう強力なバックグラウンドが必要な活動は、それに見合った人(合格した人)しか採用されません。

よくシンデレラストーリーとか、アメリカンドリームなんて言葉がありますが、こういうネタは、本当に1万人に一人とか、千人に一人、とか誰でも適応するわけではないわけです。

だから夢を追うときには、「まず自分がステップごとに手が届きそう」なことから手をつけるのが大事なのです。



⑤ その活動は、自分にしかわからない。自己責任。


前回にも似たような話がありましたが、創作活動は「ヒットするまで」は孤独です。そして、「ヒットしてしまうともはや自分のものではなくなり」ます。

たとえばゲームクリエーターになりたい!としましょう。いい作品を作るまでは、ただのゲームオタクにすぎません。でも、無事ゲーム会社に就職したとしても、今度はプロデューサーや顧客の言いなりになるわけでもあります。

もし「このゲームを世に出したいんだ!」と強く思うなら、社内外の敵を言いくるめ、強力にプレゼンして、わからずやの周りを説き伏せないといけないかもしれません。

そして、そのゲームがヒットしなければ、あろうことか「お前のせいだ」と言われるわけです。

クリエーターというものは、その覚悟と努力の結集した仕事であるとも言えます。


⑥ 人は誰でもクリエイティブ


うちの2歳のこどもが「きらきら星」をつたない声で歌います。

♪きーらーきーらー ひーらーく おしょーこーの ☆※□・・・・・♪

何がひらくのか、ドキドキわくわくです。禁断のトビラに違いない!爆笑の渦です。



⑦ 日中の仕事をやめるな


第一回のビルゲイツさんも、同じようなことを言っていました。そうです。とりあえず今のところ、あなたの創作活動は、「それで食っていけるはずがない」妄想レベルかもしれません。

妄想ではなく、ちゃんと食えている人は、このブログを恐らく第3回まで読んでいません。不要だからです。

ということは、少なくとも年収400万から500万になるまでは、創作活動だけでなく、普段の会社員とか、アルバイトの仕事を大切にしないといけなわけです。

そして、これは断言できますが、ふだんの仕事の中に、創作活動のアイデアやヒント、学ぶべきものがたくさんあふれています。

たとえ上司や客に叱られて涙を流して苦しかったとしても、アナタ・ワタシの創作物が没になったり、作り直しを命じられたり、ましてや世間でウケなかった時の、いい練習になるはずです。



⑧<省略>


⑨ 誰もが自分だけのエベレストを持っている。

アナタ・ワタシの創作活動の「てっぺん」はどこですか?すべてのクリエータは、声を揃えて「これまでの自分の作品は100点ではない」と言います。そして、もれなく彼らは皆、100点を目指して今日も創作物を作ります。

そして、これだけ世界に素晴らしい創作物があふれていても、誰もが認める100点の作品はないのです。

自己から見ても、他者から見ても、100点(てっぺん)はありません。

だから、アナタ・ワタシは自分の信じた道を行くしかないのです。


⑩ コーポーハ、フデヲ、エラバズ。

Hugh MacLeodさんは、日本の有名なことわざを知らなかったのでしょうね。


・・・それはおいといて、ここでは別の見方をしましょう。

キヤノンのカメラが好きな素人がいます。クリエータを目指しているといってMacを買う人がいます。

しかし、オリンパスのカメラを使うプロもいるし、Windows使いのクリエータもたくさんいます。

道具と創作物の関係は、必要条件とか十分条件ではありません。そりゃあ、多少はクオリティの差とか、相手側の入稿の問題とかいろいろあるでしょうが、それは二次的な問題です。


私は、携帯のカメラで撮った写真で、某コンテストに入賞したことがあります。そんなものです。

私の音楽系活動で使っている楽器は、二十年前に買ったボロボロの初心者向けです。その楽器で弾いた動画がyoutubeで○○万回の再生回数をたたき出すのです。


今日はこれくらいにしておきましょう!



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<今日のワンポイントアドバイス>


 現時点で、何者でもないあなたが、クリエータになれるための第一歩は、一冊のノートを作ることです。

サイズは、手帳サイズでもA5サイズでもいいですが、あまり大きなものは「すぐに取り出して書く」「できれば持ち歩く」ができないので、コンパクトなものがいいでしょう。

そして、そのノートには創作のアイデアや思いついたことをどんどん書き込んでいきます。

だいたい1年くらいかかってノートがいっぱいになると思いますが、ノートがいっぱいになったら、或いは季節や節目ごとに、もう一度最初からノートを見返して、書いてきた記事のうち、「どれが完成したか・実現したか」を振り返ってみてください。(丸をつけたりします)

1年かかって、実現度合いを調べると、私の場合は約1割~2割くらいでしょうか。でも、実現していないからといって凹む必要はありません。残りの8割は

「あなたがやるべきことで、まだやってないだけ」


なのですから。つまり、今日からでも出来ることは山ほどある、ということです(^^



☆この講座では、読者のみなさんからの素朴な質問などもお待ちしています。可能な限り、何らかの回答をしてゆきたいと思っています。




では次回をお楽しみに!

2013年7月20日土曜日

【松尾バイトの「クリエータ入門講座」2】 人の話なんか聞くな!



みなさんこんにちは。

 第1回からぶっ飛ばし気味のこの講座ですが、第2回もネット上からネタを拾ってきました。
これも2011年なので、少し前に紹介されていたものですが、個人的に気に入っているのでご紹介しておきます。


前回のビルゲイツさんのお話は、クリエータとして活動する以前の「心構え」みたいな部分が大きかったのですが、今回は、少しだけ創造のヒントに切り込んだ内容になっています。

(もちろん、前回の話と共通する部分もあります)




さて、今回の講師は、Hugh MacLeodというおっさん。Lifehacker日本語版の記事をご参照くださいね。

クリエイティブになる方法30

http://www.lifehacker.jp/2011/12/111215ignoreeverybody.html


この方は、名刺の裏に1コマ漫画を描く活動&某会社の社長をなさっている方で、別にアーチスト界で有名な人でもなんでもないのですが、「クリエイティブに生きる」という意味で素晴らしい提言をなさっています。

私自身も、とある音楽活動?&某会社の管理職をしていて、ちょっとばかし似たような境遇なので、共感できることがたくさんあります。




それでは、今回は各項目をゆっくりと見てゆきます。


① 人の話なんか聞くな


アナタ・ワタシのアイデア、作品がすばらしければ、他の人がそのことについて有益なアドバイスをくれることはまずありません。というより、他の人はそれがいいのか悪いのかよくわからず、理解できないといったほうがいいかもしれません。

私もこの点についてはかなり実感があります。私は「ある楽器の少し変わった弾き方」を提案する活動をしていて、そっちの活動ではそこそこの有名人なのです が、もう何年も「私なんかより、この弾き方を使ってくれるなら、もっともっと素晴らしい演奏をしてくる人がたくさんいるのに!」と思いながらずっとやって きました。

「自分なんかミュージシャン(演奏家)でもないし、実際演奏技術は下手だし、ただのシステム屋(理屈を生み出しただけ)なのになあ」

と思いながらの毎日でしたが、結局今になっても私以上の演奏家は登場せず、いまだにこんな私が「第一人者」なのです(苦笑)


理由は簡単で、結局私が最初にアイデアを生み出したものだから、いつまでたってもその技法については、私が最前線を走っていて、追いかけてくる方々よりも、やっぱり半歩先を進んでいる、ということに他なりません。

コロンブスの逸話と同じで、後の人は常に「ああ、その手があったか」と後から追認するだけなのです。

なので、私は今でも他の人からこの活動については全くアドバイスを貰えず、独走しています(^^;



② アイデアが大きい必要はない。ただ自分のアイデアである必要はある。

もし、あなたが何がしかの「第一人者」になりたければ。あるいは「何者か」になりたければ、それほど難しかったり大掛かりなことをする必要はないです。

小さなアイデアでも、成果は十二分に残せます。ちょっと変わったことをするだけでOKなのです。

だから、誰にでもチャンスはあります。そのチャンスを大きく飛躍させられるかどうかは、また別のアドバイスが必要ですが(^^

ほんの一例を挙げます。一条工務店というハウスメーカーさんがあって、立派なおうちをたくさん建てておられるのですが、その会社の名前をもじって、あると き「一畳工務店」というギャグを思いつきました。たたみ1畳だけの小屋を作る活動(物置みたいなもんです)をしたら面白いだろうなあ、と考えたのですが、 ネットでも探しても誰もそんなことはやっていません。

ミニハウスとかログハウスの小さいヤツとかを作るクリエータはいても、1畳にこだわって小屋を作っている人は皆無なのです。

だから、こんなしょうもないことでも、オンリーワンになれるチャンスはちゃんとあるのです。誰か1畳工務店をはじめませんか?キットにしたり、作り方を公開したり、面白い活動になりそうでしょ?



③ 時間をつぎこめ


成功者と失敗者を分ける要因の9割は「時間・努力・スタミナ」だそうです。これも実感できます。

もしアナタ・ワタシが何かクリエイティブな活動をやろうを思った場合、最低1年間は継続してください。そうしたら対外的には何がしかの成果がかならず現れます。

その1年を3年、5年と続ければ、これまた確実にその活動は次のステップへ繋がります。嘘ではないです。

「zine部」という活動をはじめた女の子と「うたつかい」という短歌zineを作った女の子がいるのですが、どちらもちょうど一年で書籍に載ったり、権威ある雑誌で取り上げられたり、とちゃんと成果が出ています。

どちらも、スタートは小さなちいさな活動でしたが、見るべき人は見てくれます。ただ、その人と出会う、めぐり合うまでに、最低1年ぐらいは必要なのです。

私のときもそうでした。音楽系活動開始から1年で、新聞・雑誌などたくさんのメディアに載せてもらうことができました。それにしても、なぜ1年が節目なのかはよくわかりません(笑)




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長くなるので、とりあえずはこの辺までにしますが、とにかくクリエータを目指す人にとって大事なのは、

「アナタ・ワタシは今日明日にすぐ有名になったり、賞賛されたりするわけではない」


ということを知っておくことです。どんなに素晴らしいアイデアでも、どんなにすばらしい技術でも、知ってもらうには時間がかかるし、それまでに必要な努力もたくさんあることを理解しましょう。


今当たっている芸人さんが、ここまでにどんな下積みを送ってきたか調べてみてください。きっとビックリすると思います。どんな1発屋さんでも、その芸で当てるまでにものすごい努力をなさっていることがわかると思います。


逆に、長い時間を費やしているのに成果が出せない人は、「気付いてくれる誰か」に対して適切な準備をしていないか、あるいは、本当にその創造物がしょうもないか、などの要因があるはずなのです。

この講座では、そうした「問題点や課題」についてもスポットを当ててゆきます。一緒に解決しましょう。




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前回もちょこっと書きましたが、あと数日でとある地方新聞に私の記事が載る、という話をツイッターでとある方としていて、「新聞に載る方法は意外と簡単ですよ」と口走ったら「その方法を教えてくれるまでは生き延びます!」と返ってきました(苦笑)

このブログでもそういう方法を取り上げようと思っているのですが、早い段階で書いてその方が死んでしまったら大変なので(笑)引っ張ります。

「メディアで取り上げてもらう方法」について知りたい方は個人的にご連絡ください(^^;


 ☆この講座では、読者のみなさんからの素朴な質問などもお待ちしています。可能な限り、何らかの回答をしてゆきたいと思っています。


では、次回をおたのしみに!

2013年7月19日金曜日

【松尾バイトの「クリエータ入門講座」1】  何者でもないあなたが何者かになる方法



みなさんこんにちは。

相変わらずこちらのブログは遅筆にまみれていて、松尾バイトは活動しているのかしていないのかわからないような状態ですが、ちゃんと生きてます、ご安心を。


別活動のほうでは、こないだから新聞に載ったり、また取材を受けたりと超忙しで、名前がたくさんあっても体はひとつしかないもんだから、必然的にいずれかの名前の活動に注力せざるを得ません。まさにごめんなさいです。


さて、基本的にこちらのブログでは、紙モノに関する話題であったり、zineについてだったり、小さなことをこつこつ紹介してきたのですが、最近はいろんな方と交流するようになって、思うところがあったので、これからしばらくは

「クリエータ入門講座」


なるものを開催しようと思っています(^^





もう、この話のテーマは、ずばり

「何ものでもないアナタ・ワタシが何ものかになるための方法」

という内容です。


クリエータ、という横文字はそれなりにカッコイイのですが、実は何か創作的な活動をしていればそれだけでクリエータなわけで。

でも、そうした活動をしていても、ひとりでちまちまやっているだけで、なかなか「実感できる成果を得られない」と思っている人が多いと思うので、そうした人たちの役に立てるようなちょっとしたアドバイスができればいいなあ、と個人的には思っています。



というわけで、講座の第一回は、ビルゲイツの11の金言からスタートです。




少し古い記事ですが、2008年のらばQでこんなのが紹介されていました。このネタ自体は他のサイトでも載っていたことがあるので、知っておられる方も多いかもしれません。

 「ビルゲイツの『学校で教えてくれない人生に役立つ11のルール』」
http://labaq.com/archives/51032297.html


もともとのテーマは、「人生のルール」なんですが、クリエータを目指しているアナタ・ワタシにとっても、重要な示唆に富んでいるので、今一度心を入れなおしてシャンと気持ちを切り替えたいところです。


① 人生は公平ではない。慣れるしかない。

なぜ、自分の作品が注目されないんだろう。自分の才能は世界からみてどうなんだろう。自分のほうが上手だと思うんだけどなあ。などなど、いろんなことをワタシたちは思いますが、そもそも「人生は公平ではない」のです。

そのことに文句を言っている暇はありません。そのことに文句を言っている間は、おそらくアナタ・ワタシは成果を上げることはできないからです。


② アナタの自尊心などどうでもいい。


いやあ、手厳しい言葉です。でも事実です。世界が認めてくれるとすれば、それはクリエータである「あなたの作品」だからではなく、その作品そのものが良いからです。早く完成品を出して来い!ってことかな。


③ 高校を出てすぐ年収600万を得ることはできない。自分で稼げ。

高校でも、大学でも、専門学校でも、ガッコウを出たばかりの人間がクリエータとしていっちょまえの仕事をすることはできません。当たり前だけど、自分で道を切り開いていかねばならない。

クリエータになりたい、だからその分野のガッコウに進んだ。だけでは、スタートラインについたとも言えないわけで。


④ 先生が厳しいというのなら、上司を持ってみろ。


主に学生さん向けのことば。クリエータに置き換えるならば、クライアント(顧客)の指示を受けてみろ、かな。


⑤ 漫画のベタ塗りは、しょーもない作業ではない。チャンスだ。

↑勝手に意訳しました。原作の「ハンバーガーをひっくり返す」とは、単純で誰でもできる仕事のたとえだそうです。


⑥ 親のせいではなく、お前のせいだ。


⑦ 両親が退屈な存在に思えるのは、お前のために食費を稼いでいるからだ。


⑧ ガッコウはやさしい。社会は冷たい。


⑨ 自分探しなんてどうでもいい。今の仕事が自分に合っているかどうか悩むのは、帰ってからにしろ。

多くの人は、社会人として働きながら創作活動をしています。(専業クリエータとしてひとり立ちするまではみんなそうです)。あるいは、仕事として創作活動 をしている人は、「この仕事は俺が本当にやりたい仕事だろうか」と悩むこともあります。クリエータではなく、オペレータになっている、という言い方もあり ますね。

しかし、そんなのはどうでもいい、と!職業クリエータはどんな依頼でも力を込めて完成させ、兼業クリエータは、ふだんの仕事の手を抜くな、ということ。


⑩ ネットをいつまで見ていても作品はできないし、ご飯は食べられない。

そのとおりです。反省。

⑪ オタクには親切にしよう。お金を払ってくれるのはオタクだ。

これもそのとおり。近年になってますます創造性とオタク性は密接になりつつありますね。


(全体的に、やや改変も交えていますのでご了承ください)



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まあ、多かれ少なかれ、私も含めて自称・他薦のクリエータのみなさんにとっても「グサリ」とくることばがちりばめられていますが、いかがでしょうか。

このビルゲイツ発言には、元ネタがあるそうですが、ゲイツさんが言うから説得力があるわけではなく、誰にでも当てはまるところが私は好きです。

おっしゃっていることは、とても的を射ていて、「ああ、自分も正さないといけないな」と思わせてくれるところがGOOD。

この11の言葉を見て、すごーく嫌な気持ちになり、かつ凹んでしまっただけで終わった人は、たぶん一生クリエータにはなれないので安心してください(笑)

これ以降の数々の試練に立ち向かう必要が、鼻からありません。


「よし、気持ちを入れなおして今日から頑張ろう!」と思えた人は、きっとこれから始まるクリエータ入門講座において、経験値をアップさせることが可能だと思います。



☆この講座では、読者のみなさんからの素朴な質問などもお待ちしています。可能な限り、何らかの回答をしてゆきたいと思っています。




では次回をお楽しみに!