2013年7月29日月曜日
【松尾バイトの「クリエータ入門講座」8】 あなたの作品は誰のためのもの?
みなさんこんにちは。
私はふだん、普通の会社勤めをしています。その休日やら、帰宅後の時間を利用して創作に関わる活動をしているのですが、忙しい時は、少しの時間も惜しんで何かを進める、ということもあります。
特にこの夏は忙しくて、公的なイベントに呼ばれて講師をしたり、私的なグループの方に招かれてレッスンめいたことをしたり、とバタバタしていました。ま た、合間を縫うように次のステップの打ち合わせをすることも多く、気がつけば日曜日はかならず何かしらクリエイティブな活動を組み込んでいる、ということ になっていました。
というわけで、来月からはちょっと休みます(^^ イベントの入れすぎはダメですね。
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さて、これまで「松尾バイト」としてはあまりたいした活動をしてきませんでしたが、いよいよZINE作りや手作り本関係のイベントが実施できそうなので、その進行具合もレポートできれば面白いですね。
どうやって創作活動が進んでいくのか、という裏話をしてゆくつもりです。
今回、「本作り」イベントを実施するに当たっては、事前に公的施設のイベント担当の方といかに四方山話をしておくか、というところがスタートになります。
もちろん、私は音楽関係のイベント講師として担当の方にお会いして、そちらの準備を進めてきているわけです。その際に、「この施設ではどういう企画が求められているのか」ということをリサーチします。
今回は音楽系イベント講師として参入しているけれど、別のネタでもこの施設と関わることができそうかどうか、ということを事前に考えているわけです。
そこで、担当者さんの意向や、施設全体のイベント企画・戦略を尋ねてゆく中で、「あ、これはコラボできそう」というネタがあれば、資料とサンプルを持参して「私はこういうのもやってるので、もしそちらの企画と合いそうなら使ってね!」という話をするわけです。
没になることもあるし、採用されることもある。しかし、種をまいておけば、直接その施設とは関係なくても、別の関係者の方から「うちでやってみたい!」というオファーをもらうこともあるわけです。
そういう人づてのつながりで、私はこれまで5つくらいの公的施設でイベントを実施することができました。ちなみにすべて、そうした公的施設さんが主催のイベントに招かれていますので、施設を借りて私が勝手に実施しているわけではない、というところがポイントです。
その施設の方が「こういうイベントを実施したい!」というイメージをもっておられて、その実現のお手伝いをしているわけですね。
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今書いたような動きは、ひとことで言えば「営業」をする、ということです。クリエータを目指す方の中には「自分は職人であって、営業なんてできない、嫌だ」と思っておられる方がいるかもしれません。
しかし、初期の段階で申し添えておきますが、営業ができないクリエータは、生き残るのが厳しいと言わざるを得ません。
昔は、職人でも成立したところがあって、それは大手の出版社などでは、「編集者」ががっちりついてくれたり、育ててくれたりするシステムがあったからです。
しかし、最近はそうした余力も企業側にないので、「即戦力であって、それを的確にプレゼンできる人材」が優先的に目に留まってくるのは仕方ありません。
プレゼン能力とは、youtube動画でカウント数を獲ってくる力であったり、コンテストで有力者の目に留まる力であったり、あるいは「いいね!」の数として評価されることもあります。
しかし、「ふつうのクリエータが数万回の再生回数やいいねをもらえる」というのも非現実的なので、現実的には「人脈・人づて」を生かして仕事や作品につなげていくのが日々だと思います。
つまり、コミュニケーション能力や営業能力が、あなたの作品作りの基幹部分に食い込んでくるわけです。それが厳しければ、やっぱり大手企業の「編集者に発見してもらう」以外に、創作活動だけで食べていくのは難しいと言わざるを得ないでしょう。
(あるいは、デザイン事務所に入るとか、印刷会社のそうした部門で働くとか、ゲーム会社に就職するとか、いわゆるひとつの企業人として生きていくかです。その場合、社内でもっとコミュニケーション能力が必要とされますが)
時には、飛び込み営業をすることも必要です。これは、昔から小説や漫画の世界では「持ち込み」なんて呼ばれたりしました。
結局、創作活動も、企業活動も、それを仕事としてきちんと動かしてゆくということは「同じことをする」わけです。
だから、これまでの講座でもいろんな方が言っていたように、「ふだんの仕事がきちんとできない者に、創作活動がうまくできるはずがない」という部分に繋がってくるのです。
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<今日のワンポイントアドバイス>
あなたの創作物は「誰のための作品」でしょうか?その作品は、誰のために作られているものですか?
本だったら、「読んで欲しい読者層」というターゲットはいますか?
絵だったら「その絵を気に入ってくれそうなジャンルの人たち」を想定していますか?
直接的な「相手」だけでなく、間接的な相手も存在します。たとえば、今日説明したようなイベントを実施する場合、最終的にイベントに参加してくださるお客 さんだけでなく、そのイベントを企画したり実施したりする主催者さんにとっても意義のあるものかどうか、自問自答することが必要です。
その場合、あなたの創作物の相手は2者存在することになります。参加してくださるお客さんと、主催者のみなさん。その両者にきちんと向き合っているでしょうか?
たいていの初心者クリエータは「自分が作りたいものを作る」なんてことを言います。もちろん、ただの素人であれば、それで全く問題ありません。自分が作りたいものを自分で勝手に作ればいいんです。
ただし、それを他者に提供したり、他者と共有する場合には「相手が参加して喜ぶものを作る」べきです。それがプロを目指す第一歩だからです。
☆この講座では、読者のみなさんからの素朴な質問などもお待ちしています。可能な限り、何らかの回答をしてゆきたいと思っています。
では次回をお楽しみに!
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