まいどおなじみ自作三脚を作ろう! 手作り三脚のコーナーです。
前回までは、開き止めのないタイプの三脚を作りましたが
このタイプにはいくつか弱点があります。
■ 脚の上部が台座に当たって止まり、そこに力がかかるために、脚の上部と台座がどうしても大きくなってしまう。
■ そのことによって、タカアシガニのように、台座と脚の高さにクリアランスが必要になってしまう。
などなど。
カメラ用三脚では、開き止めとエレベータのない剛性の高いものも販売されていますが、天体望遠鏡用や、ビデオ用三脚では、スプレッダ(開き止め)がついているものが多いです。
スプレッダがあることによって、三脚全体の剛性もアップしますし、かかる力も分散されるので構造的には部分部分に負荷がかからないつくりで設計できる利点がありますね。
というわけで、完成品を
脚の部材も2本から1本に減らしています。ヘッドもコンパクトで小さくなったのがわかるでしょうか?
今回は
■ 20×20×1100の棒材 3本
■ この棒材を短く切ったもの3本 50ミリ~60ミリくらい
■ 9ミリもしくは10ミリコンパネを切り出した三角形 一辺50ミリ 2枚
今回も廃材を利用したので、棒材は荒材でした。紙やすり・グラインダー等で表面の荒れを取っています。
やすりがけ後。
台座部は、前回で基本ができているので、今回はさらっと解説します。
20×20の棒材に、
■ 3ミリベニヤを20×60に切ったもの 6枚
を使って脚の上部の取り付け部分を作ります。ボンドで貼るだけ。
■ M4 ねじ30ミリと蝶ナット
台座用ねじ、蝶ナットは、今回は30ミリを使いましたが、ベニヤが3と3で6ミリ、棒材が20なので、合計26ミリなのでぎりぎりでした。
35~40ぐらいのねじでもよいと思います。
開き止めは
■ 3ミリベニヤで作った一辺50ミリ三角 2枚
■ 3ミリベニヤで作った 20×120~150ぐらいの板 3枚
で作ります。
■ M4 20mmネジ、ナットセットも3本使います。
これらを組み合わせてボンドで貼ります。 端っこに穴をあけて20mmねじを取り付けます。
スプレッダは毎回三脚本体にネジ止めしてもいいのですが、めんどくさいので今回の設計では、 この飛び出した20mmのネジが三脚に差し込まれるだけで力を持たせるようにしています。
こうすると差し込むだけでよいので、取り付け・取り外しがとても楽になります。
■ 20×20×20のブロックをつくる 3個 穴をあけておく
■ 3ミリベニヤで20×40の貼り付け材をつくる 6枚
これらを三脚上部から任意の長さの位置に木工ボンドで貼り付けます。どの位置に貼り付けるかで三脚の開き角度が決まります。
ブロックに開いている穴にねじの飛び出し部分を差し込むだけ。
※ ちょっと今回やっちまった!のは、ブロックの穴の角度と、スプレッダのねじの角度が、「三脚を開くことで角度がどんどん変わってゆく」ためにズレています。
なので、ちょっとスプレッダがたわんでいます。これはスプレッダに力がかかっているということ。
ところが、この「圧がかかった状態」であることが、結果的に
「脚が開く方向にも、閉じる方向にも動かず、ツッパリが利いている」
状態になっているので、もしかすると結果オーライなのかも・・・。
みなさんが作る時には、角度をあわせたほうがいいのか、試してみると面白いと思います。
ねじは刺さっているだけで、締め付け、止めつけはしていません。なので取り外しも簡単。
スキっと閉じられます。ブロックの部分も干渉しません。
というわけで完成。
今回の三脚は、台座の上部に脚が干渉しないので、前回のように台座の高さをかせぐ「スペーサー」が不要だったり、最小で済みます。
1番費用がかかる木材の量が少ないので、たぶんより安価になっていると思われます。
廃材だからしらんけど。
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