2019年9月5日木曜日
天体望遠鏡と微動雲台マニアックス ~奥深き微動雲台の世界~
==========
※ この記事の内容は、あくまでも推定です。ビクセンさん・ミザールさんなどに確認を取っていませんので、マニアの想像上のたわごととしてお楽しみください。
==========
まだまだ天体望遠鏡ネタは続きます。
初心者向け天体望遠鏡の中で、私がおすすめなのはビクセンのスペースアイ600/700であることは前回お話しましたが、 実はマニアながら恥ずかしいことに気づいていなかったことが1点ありました。
それは、実はスペースアイ600/700に搭載されているのは、あの名機
「ミザールのK型微動雲台(K型経緯台)」
である!ということです。
ビクセンなのにミザールとか、話がややこしくなってきますが、その昔、ミザールテックという会社が作った「K型経緯台」というものがあって、それと同じものがスペースアイ600/700についている、ということです。
オリジナルのミザールK型経緯台は
http://www.uctrade-shop.com/used/mizar_k_mount_131120.html
に写真あり。
現行品は
ミザールテック K型微動雲台 (画像はミザールテックさんのサイトからの引用)
http://www.mizar.co.jp/product/view/33
おそらく発売当初のオリジナルと同じ形のものを、別のところに作らせているような、そんな感じだと推測します。
(しかし、ミザールが出しているのだから正真正銘ミザールK型ではあるのだが)
==========
さて、スペースアイ600/700ですが、斜めになる簡易ウェッジは別で、ちょうど丸い青と赤のシールが張ってある部材の上下が「K型経緯台・K型マウント」と呼ばれる部材です。
全周微動ネジから、鏡筒との取り付け部までがK型経緯台ですね。
さて、このK型経緯台ですが、現在は本家本元オリジナルのミザール製ではなく、たぶんおなじ形のものが別の下請けさんで作られているのかもしれません。(予想です)
ですから、ミザールからもまだ販売されていますが、別のブランドでもK型経緯台と同じ形のものが販売されています。
実は、ビクセンは自社で微動雲台を持っているし、販売しています。
ビクセン微動雲台 (画像はビクセンさんのサイトより引用)
https://www.vixen.co.jp/product/3562_01/
しかし、スペースアイシリーズには、この部材は搭載していません。
基本的に、天体望遠鏡の世界は、国産にしろ中国産にしろ、OEM供給が進んでいて、ある程度セットで仕入れて構成を作って販売する関係で、自社の部材をそのまま使うというわけではないようです。
そこで、 各社の微動雲台を拾い上げてゆくと、面白いことがわかってきました。
<経緯台と微動雲台の関係>
オリジナル
■1 ミザールK型微動雲台 ・・・いわずとしれた名品。
■2 Io Systems Inc 微動雲台 (K型互換品?)(1と同型) ・・・ミザールK型のコピーもしくは、下請けかもしれない。形がまったくおなじ。
■3 ビクセン 部分微動雲台 3562-01 ・・・ビクセンのオリジナル
■4 セレストロン 微動雲台(つき三脚) CE93607 フレキシブル ・・・三脚とセットでオリジナル
■5 ミード AZM 微動雲台(つき三脚) ・・・三脚とセットでオリジナル
※ 微動雲台として単体で販売されているのは、ミザール品・互換品・ビクセン品
つぎは、セット構成での採用具合です。
○ ビクセン スペースアイ50M/70M 部分微動雲台 仮称A
・・・この機種とミザールのTL-750には、独自の微動雲台が載っています。仮称Aとします。
○ ビクセン スペースアイ600/700 K型微動雲台(互換品?)(1) フレキシブル
・・・K型雲台が載っています。ハンドルノブがフレキシブルに交換されています。
○ ミザール MT-70R K型微動雲台(互換品?)(1)
・・・ミザールの商品なんだからミザールK型雲台で間違いないのですが、当時のオリジナルではなく、下請け製?と思われる現行の互換品が載っています。 結果としてビクセン・スペースアイ600/700とおなじ部材と思われますが、ハンドルは短いものです。
○ ミザール TL-750 部分微動雲台 仮称A
・・・ビクセンスペースアイ50M/70Mとおなじ「仮称A」微動雲台が搭載されています。もしかすると三脚ごとおなじかも。
○ ミザール TL-880 部分微動雲台 仮称A+ パンハンドルつき
・・・「仮称A」微動雲台ととても似ているのですが、パンハンドルがついているのでA+としておきました。
○ 池田レンズ工業 リゲル60 微動雲台 仮称B
・・・ビクセン/ミザール系とは異なる別の微動雲台です。セレストロンやミードとも異なります。
========
意外とビクセンとミザールで、部材がかぶっているのが面白いですね。
OEM供給元が同じで、とくに「三脚から下はおなじ、鏡筒がそれぞれ別」という感じなのでしょう。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿