2012年3月21日水曜日

zineを作るのに適したプリンタ選び

今回は「zineを作るのに適したプリンタ選び」ということで、ワークショップではありませんがレクチャーを少々。


プリンタ、といえばエプソンさんがカラリオを出してからというものインクジェットが一時代を築いているところですが、うちにもこの時代のPM-750Cがあり、現役でzine作りに役立っています。




(PM-750C 1997年製 名機ですね!)

さて、自分がどのような形態やジャンルのzineを作るのかによっても、必要なプリンタの種類が違ってくると思いますが、私なりの「ZINE作り」の視点で見たプリンタ論を語ってみたいと思います。




<激論1>A4プリンタかA3プリンタか

家庭用プリンタはA4、ビジネス用はA3という住み分けが昔から出来ていたプリンタの世界ですから、現在でもA3プリンタは少々割高という価格設定になっています。

もちろん、A3プリンタは万能(笑)なので、どんなサイズの印刷物でも作れる、という利点がありますが、ZINE作りという観点では、「そこまで必要ない」という割り切りもアリですね。

ZINE専門店「BOOKS DANTALION」さんを覗いてみるとわかりますが、冊子完成サイズでA4のものはほとんど見かけません。B5サイズのものはちらほらありますが、印刷屋さんに出しているものや、リソグラフ(印刷機)で作っているものなどが多いようです。もちろん、手製のZINEでB5冊子サイズというものもないわけではありませんが、圧倒的にA5サイズの冊子が多いことは「世間に出回っている家庭用プリンタの大半がA4プリンタ」であることと無関係ではないと思います。

A4プリンタが数千円で買える時代にA3プリンタは数万円の相場であることを考えても、

A4プリンタでいいんじゃない?

というのが私の結論(笑)



<激論2>インクジェットプリンタには2つの考え方がある

インクジェット、とひとくちに言いますが、現在各社さんの販売ラインナップは明らかに2つの系統があります。

ひとつの系統は、「ゴージャス」タイプで、これは6色インクを搭載しています。とにかく豪華で高機能路線というやつですね。写真画質を追求していて、CDにそのままラベル面印刷ができたり、スキャナ付き複合機だったり、オートシートフィーダがついてたり、まるで「ちいさなコピー機」みたいなつくりを目指しているタイプです。
カラーモニターがついてたり、無線LANがついてたり、とにかく何でもついてます(笑)

ZINE作りに関係あるポイントとしては、

両面印刷機能がある

 ふちなし印刷ができる

などが注目点です。


EPSONハイエンド機の例 EP-904A
http://www.epson.jp/products/colorio/printer/multi/ep904a/



もうひとつの系統は、「激安」タイプで、インクが4色どまりで、とにかく機能がしょぼいのだけれど、その分お安くなっている路線ですね。
4色インクという時点で、写真画質が落ちます。このあたりの機種はフォトZINEを作りたい人には、悩ましいところかもしれません。


canon最安機の例 iP2700
http://cweb.canon.jp/pixus/lineup/a4/ip2700/index.html

しかし、激安機をなめてはいけません。なんと↑のiP2700は\3980~の実売価格なのです。どんな店でもだいたい5000円以下で販売していますから、その安さたるや驚きです。


では、ZINEを作る上で、知っておくべきことは何か、について列記します。

①両面印刷機能は、たいていの機種がA4とレターサイズ限定。その他のサイズについては対応していないことが多いから、それを踏まえて選ぼう。
そして、業務機ではない家庭用プリンタの両面印刷機能は、とにかく「よく滑る」、確実に紙が送れないと、失敗作の本ができてしまうから注意。

②ふちなし印刷がどうしてもほしい場合は「インクジェットハイエンド機」しか選択肢はない。CDラベル面印刷機能もおなじ。

③ZINEは本であることを思い出そう。つまり、両面に印刷するのであって、片面だけ写真画質でも意味がない。両面に写真画質で印刷できる専用紙は数少なく、高い。また写真画質で印刷する場合は、インクがべらぼうに必要でコストが跳ね上がる覚悟を。


つまりですよ。ものすごく高いお金をかけて、高いZINEを作るのであれば、高機能なハイエンドプリンタがあってもいいですが、そうでなくてDIY感覚でとにかくお金をかけないZINEを作りたいのであれば、低価格機でもいいじゃん、という割り切りも大事なわけです。

しかし、低価格機には、「プリンタ本体が3980円でも、替えインクが黒2980円、カラー2980円するという逆転劇」が待っていることもお忘れなく!!!



<激論3>複合機のいいところ、悪いところ。

最近は、コピー機のように使えるスキャナ付き「複合機」も流行りですね。ZINE作りの上で、スキャナはあったほうがいい機械ですから、スキャナを持っていない場合などは複合機を選択するのもいいと思います。

しかし、この家庭用複合機プリンタはお店や会社にあるような「コピー機」としての性能を有していないので注意です。
なんとなく、「コピーみたいに使えるんだろうな」と思っていると哀しい思いをします。「それほど綺麗にコピーできない」という現実に直面するからです(苦笑)

これは、簡単に言えば、スキャナ部分から画像を拾って、パソコンできちんと修正してやって、プリンタ部分に最も適した形で送り込んでやれば、それなりにマシなんだけれど、複合機本体の「コピーボタン」をぽちっと押すだけでは、そこまで最高のポテンシャルが出ない、ということに尽きます。

複合機のコピーボタンは「とにかく、速くコピーできて、それなりに見えたらええやん」というチューニングで印刷されますから、スキャナも解像度が最高ではなく、印刷もそれなりです。

結果として、お店のコピー(完全業務用機)のように、綺麗に印刷できない、ということになるわけです。

そりゃ、お店の数十万のコピー機と、二万ぐらいの複合機がおなじ性能だったら、やってられんわ!ですね。



<激論4>両面印刷機能は必要か?!

実は私は両面印刷機能を持ったプリンタを所有しています。ところが上にも書きましたが、この両面印刷機能は、A4にしか対応していません。ほとんどのメーカーのプリンタはB5ですら両面ダメな機械が多いです。よくカタログを見てください。

なので、A4両面が必須な人については意味がありますが、それ以外の人にはあまり役立たないことが多いのがこの機能なのです。

そして、言っちゃ悪いが、両面機能がよく滑ります。滑るというのは、紙をうまく送れなかったり、両面のつもりが二枚一緒に掻きこんだりすることです。

私は本業の会社の方では大きなコピー機を使っていますが、会社にあるようなコピー機の両面印刷機能とは、まるで信頼性が違います。

ZINE作りでは、ページ送りミスは致命的で、一冊ダメにしてしまいますので、多少めんどうでも、手動で両面印刷をするようになりました(^^;;



両面印刷機能搭載 約13,000円~で買える canon LBP6200
http://cweb.canon.jp/satera/lbp/lineup/a4-mono/6200/index.html





<激論5>ZINE作りの正統派プリンタとは?!

ZINEのもともとの源流は、詩人やストリートなお兄ちゃん達が、自分たちで書いた詩や散文・イラストなんかを「ゼロックス」で複製してホチキスでパチンと本にしたことがスタートだと言われています。

「ゼロックス」とは何か、というと簡単に言えばコピー機のことです。私たちがいま使っているレーザー方式コピー機は、ゼロックス社が開発・売り出したので、そういう呼ばれ方をしているわけです。

ゼロックスが本流だというのであれば、ゼロックスの機械でZINEを作ろう!という発想もお洒落ですよね(笑

ちなみにゼロックスの日本法人は富士フィルム系の

富士ゼロックス社
http://www.fujixerox.co.jp/

です(^^

このゼロックス、すごいことに、自社でもレーザープリンタを売り出していますが、なんと

EPSONのレーザープリンタもNECのレーザープリンタも、ゼロックス製

です。

canonとリコーは、自社開発のレーザープリンタなので、ゼロックスではありません(だからどうした)

さて、レーザープリンタの話がでてきたので、ZINE作りの上でインクジェットとの比較をしておきます。


①レーザープリンタではフチなし印刷ができる機種はない。仕組みが違うからしょうがない。

②おなじみコピー機とおなじでトナーを使うので、濡れてもにじまない。

③写真画質はめちゃくちゃ綺麗ではないが、そこそこ綺麗。それでも普通紙にインクジェットで印刷したよりもはるかに綺麗。

④レーザーではCDラベル面プリントなども無理。

⑤インク代(トナー代)は安い。しかし、たくさん印刷できる分カートリッジが見かけ上高い。

インクジェットは100枚刷れてカートリッジが1000円ぐらいするとしたら、レーザーは1000枚刷れて5000円、みたいな感じ。




<激論6>激安プリンタBESTはこれだ!

というわけで、今もっともホットなプリンタベストバイをご紹介。もちろん、5000円前後で買える激安インクジェットも魅力ですが、昨年秋からネット界やらパソコン好きを騒がせているプリンタがあるので、ZINE作りにもお役立てください(笑)

①魅力第一位 カラーレーザー NEC PR-L5750C





本体定価9万円近いセミプロ機なのに、1万円前半で叩き売られているすごいヤツ。だいたい14,000円ぐらいで送料無料なら即買い。

カラーレーザーが1万円台ということ自体がすごいこと。基本的に、メーカー在庫処分なので、あるだけ売り切り価格です。マニアは2台以上買ってます(笑)

難点は、めちゃくちゃ大きくて重いこと。女子はひとりで設置できません。重さ20Kgあります(爆)

その代わり、カラー4色タンデムエンジンなので激速で印刷できます。画質も、ZINE作りでいえば最高クラスではないでしょうか。

上でも書きましたが、中身は富士ゼロックスのOEMなので、本家本元ゼロックスマシンであることもZINEマニアの心をくすぐります(笑)


今日の最安値は13,800円なり。(価格コム)
http://kakaku.com/item/K0000003975/


・・・ちなみに松尾家には2台あります(はっはっは)

②魅力第二位 カラーレーザー NEC PR-L5600C



発売は最近なのに、もう安値になっているカラーレーザーです。もちろん富士ゼロックスOEMマシンなので、本家本元。

売値は、今だいたい9800円!

このマシンのすごいところは、EPSON LP-S520C という名前になると、売値が二倍以上になるところ。



色が違うだけで、中身はおなじです。エプソンブランド恐るべし。


5750Cに対して後継機にあたるシリーズなので、小さくて軽くて画質も良くなっています。

しかし、ひとつだけ問題点があって、それは「レーザー感光ドラムが交換できない仕様」になっていること。

ふつうのレーザーは「トナー」と「ドラム」の両方が交換でき、長く使えるのですが、このマシンは「ドラムは取り出せない」仕様になっています。

そのためドラム寿命の3万枚を印刷しきると・・・・動作が止まる!!!のです(笑)

その分、使い捨て感があるのですが、9,800円のカラーレーザーなら、それもいいかと。

ちなみに、3万枚を印刷するのに、トナーをだいたい20回くらい交換しないといけません(笑)

その前に壊れる可能性のほうが、大ですね。インクジェットでいうと、200回インクを交換した印刷枚数に匹敵します。

今日の最安値は9,980円なり(価格コム)
http://kakaku.com/item/K0000277250/


・・・ちなみに松尾家に一台あります(はははは)

画質比較をしたのですが、5750Cも5600Cもほとんどというか全く同じ印刷結果ですね。

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