2013年8月7日水曜日

オンリーフリーペーパーさんの閉店について

関西は、夕立の雨上がりですが、こんばんは。

 今日は、zineについての思ったことをさらさらと。

 まず、先日からの大きなニュースは、やっぱり「オンリーフリーペーパー」さんの実店舗(渋谷パルコ)が8月11日をもって閉店、という件だと思います。

 Only Free Paperさんのニュース

 フリーペーパーの専門店、という他ではありえない着想と、紙モノ好きにとっては「気になって仕方ない店」として頑張ってこられたことに敬意を表しながら、個人的には

いやあ、結局一回もいけなかったぜ

という残念無念な感じなのですが(苦笑)


 さて、今年は、これまた唯一無二のzine専門店「Books DANTALION」さんの実店舗閉店なんかもあったりして、こちらはけっこうお邪魔していたので、zineファンとしては「ああ、居場所に近いものがひとつ消えたなあ」とかなり残念だったわけで。


========

 しかし、逆に言えば、ここらでしっかり考え直さないといけない時期に来ている、とも思います。

 つまり、上の先駆的な両店が「店じまいをする」ということはどういうことか、問い直す必要性ですね。


 旧来型の店舗として扱うには「zine」も「フリペ」も、結局おそらくそぐわない、のでしょう。

 それを単純に「儲からない」という言葉でくくるのには御幣があって、

 そもそも両者とも「儲けるつもりで店舗を出したわけではない」からで、そこらへんはいろんな角度で読み解かないと、答えはでないと思うわけです。


 もうひとつ現象として私がずっと気にしているのは、「やっぱりzineの作り手が、一周したら減っていく」という点です。

 私は2011年からzineに絡ませていただくようになりましたが、その頃とても面白いzineを作っておられた方で、今もおなじようにコンテンツを出しておられる方、というのはかなり少ないです。

 つまり、数号出された時点で、自然に休止もしくは卒業なさっていくzine作家さんが多い、ということでもあります。

========

 このあたり、zineもフリペもそうなんですが、「最初は面白くて楽しい」のだけれど、「きちんとした仕組み」(つまり、お金の面も含めて)として回っていかない、ことに課題があるのではないでしょうか。

 儲ける必要は全くないものの、持ち出しばかりでペイしないメディアであるため、最後は作り手のモチベーションと体力勝負にならざるを得ないところが、いいのやら悪いのやら。

 だからこそ、zineやフリペに見合った新しいビジネスモデルというか、「ぴったり息のあう仕組み」みたいなものが何かないかなあ、とずっと考えているわけです。

 「zineは旧来のメディアに対抗しうるカウンターカルチャーだ」

なんていう言い方をする人もいますが、

 いやいや、どっちにしても紙メディアは落ち込んでますよ

というオチではどうしようもありません。


=========

私は、個人的には紙メディアは「ハードウエアであり、ソフトウエアである」と思っています。

いろんなメディアがある中で、「再生機材を必要としない、それだけで再生可能なメディア」というのは、やはり紙のよさだと。

その上で、電子工学的にいえば「ハードウエア設計と実装、ソフトウエア設計と実装」がわりと簡単に効率よく、効果的にできるのはすごいことだと思うのです。

 
このあたりをうまく生かしていけば、まだまだ粘りがあると思うんだけどなあ・・・。


みなさんのご意見、ご感想をお待ちしております。

0 件のコメント:

コメントを投稿