2012年4月29日日曜日

松尾バイトの「zine学」入門 その5「本の歴史をたどってみよう(1)」



いよいよGWがはじまりましたが、みなさまいかがお過ごしでしょうか?

zineやzine的なものについて真面目に考えるこのコーナー。今日からはズバリ「本」という形態について考えてみたいと思います。

そもそも、本や本っぽいものは人類が文字を発明してそれを何らかの「メディア」に記録するという意味で古い歴史を持っています。

学校で勉強したのは、「昔は骨とか粘土板に刻んだんだぜ」とか「ヨーロッパでは羊皮紙というものが使われたぜ」とか「エジプトにはパピルスという紙があるぜ」とか、そういうお話でしたね!

アジアでは「木簡」とか「竹簡」とかそういうものが使われた話も覚えているかと思います。



<忘れてしまった人は復習をどうぞ>

粘土板
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B2%98%E5%9C%9F%E6%9D%BF

羊皮紙
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%BE%8A%E7%9A%AE%E7%B4%99

パピルス
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%94%E3%83%AB%E3%82%B9

木簡
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%A8%E7%B0%A1




さて、それらの記録メディアが「本」になってゆくということは、単体のメディアをつなぎ合わせて長い分量のデータを記録する仕組みが発明される、ということでもあります。

たとえば、「小冊子」の「冊」という字は、ズバリ木簡を糸でつなぎ合わせた形をかたどった文字です。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Bamboo_book_-_binding_-_UCR.jpg

wikiに写真があったので、それを見れば一目瞭然!まさにおんなじ形です。




紙が発明されてからは、まずはその紙をつなぎ合わせて「巻物」というスタイルが登場します。

日本・海外とも長い間(18世紀ぐらいまで)巻物が使われており、いわゆる「本」は歴史の中でもどちらかといえば後発だと言えます。

現代でも巻物はちゃんと残っていて、たとえば「掛け軸」は、巻物を開いて掛けているものなので、しまうときは当然「巻物」にするわけです(^^



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さて、それではzine学講義はこれくらいにして、いよいよ実習しながら「本の歴史」をたどってゆきましょう!


<「折本」を体験する>

巻物は、ロール上のため検索にとても時間がかかります。そこで、それを解決するために、巻物と同じ構造でありながら途中でも開くことができる形態が生まれました。

それが「折本」です。




折本は巻物とおなじですから、ペラものの紙をつなぎ合わせるところからはじまります。今回はA4用紙を半分に切ってつないでみます。


つなぐと、長ーい紙になります。本来の巻物や折本だと、もっともっと長くなります。


これを折りあげると↑になります。これで1paperzineのサイズとまったくおなじ、ということになりますね。

折本には、最初と最後に丈夫な表紙をつけることがあります。いわゆるみなさんがイメージする「お経」みたいになるのがそれです。


開くと↑みたいな感じ。表面ばかり使うので裏面には何も記載しません。ということで「A4片面分の本」ですから1paperzineとデータ量はおんなじです。

はい!今回のポイント!

「折本は綴じてはいない」

ということ!

巻物や折本は、まだ「綴じる」という作業が入っていないので、そこが近代の「本」とはちょっと違う、というわけです。

次回は、「綴じる」という点に着目する予定。

ではでは。


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