2012年4月22日日曜日

松尾バイトの「zine学」入門 その4「めくるめく同人誌の世界」




おはようございます。

たまには日曜日の朝から更新しております。




さて、「zine学」のコーナーは第4回を迎え、今日は「同人誌」について講義してみましょう(^^

21世紀の現代の日本において「同人誌」ということばは、ほぼ9割がた「アニメ・漫画同人誌」を指すことが多くなってきたように思います。

一般的に販売されているメジャーな漫画から画風やキャラクターを引用した二次創作物から、オリジナルのマンガに至るまで、そりゃもう「同人誌マンガ」は隆盛をきわめているようで。
東京秋葉原や大阪日本橋へ行けば、アニメ同人誌の専門店なんかもあって、ネット通販やコミケでの販売を含めてものすごい巨大市場になっているのがこの世界。

詳しいことはウィキペディアにも載っているので、ご一読をお勧めします(笑)←丸投げ?

同人誌
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%90%8C%E4%BA%BA%E8%AA%8C





もちろん、zineも同人誌のいちジャンル、としてとらえてよいと思います。出版社による商業的な出版物以外は、基本的に同人誌の要素を含みます。

しかし、この「同人誌」というものは、由緒正しい歴史を持っていることも知っていて損はありません。
30代半ばのわたくしとしては、今のようにアニメ同人誌が流行する以前から生きてますので(笑)、同人誌といえば「アララギ」とか「白樺」とか、明治以降の文芸同人誌のほうが先にイメージに浮かぶような気もします(^^;

wikiにもこのへんのことは説明してありますが、日本の歴史においては、明治に近代国家になってからというもの、文学の世界では商業出版より先に「同人誌」という形態で優れた文学がたくさん世に出ることになりました。

むしろ商業出版はその後追いをしていたような形で、そのせいか文学が好きな人の中には、「同人誌」の形態に一目置く人がたくさんいるように思います。

高校に文芸部という部活動がある学校もたくさんありますが、ここでは自分の部活内で「同人誌(文芸部誌)」を作ることがひとつの柱になっていることも多いようです。



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文学や芸術の純粋な表現として、同人誌や自費出版の形態が適しているのは「商業主義に毒されない」という点だと思います。基本的に自己資金(ひとりであれ、グループであれ)で制作しますから、お金の出所は自分です。これが商業出版のようにお金の出所を読み手に求めるようになると、やはり「読者にウケるもの」「大衆にウケるもの」へと中身が変化していかざるを得ないわけです。

このあたりは、フリーペーパーの世界も面白いですね。無料で配布されるフリペには、まったく異質な2種類のものがあって、ひとつは「制作者が資財をなげうって自分の作りたいものを作るもの」と「広告をたくさんとってきて、読者と広告主の意図に沿ったものを」がどちらもフリーペーパーと呼ばれているのが興味深いです。

ただ無料という共通点だけなのですが、中身はまったく異なるものですね。



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さて、ちょっと戻ってマンガ同人誌の世界は、zineにくらべて数段進んでいますので、ぜひセンパイとして見習っておきましょう。

たとえば、クオリティを求めてマンガ同人誌は早くから「印刷会社に印刷製本をお願いする」というスタイルが定着しています。単なるコピー本もありますが、大半は既に本格的な印刷で発表されています。

専門書店やネット通販などの流通システムも整備されているし、コミックマーケットというイベントも定着して久しいものになりましたね。オークションや古書店で売る、といった二次販売もはじまっています。

また、パロディがどこまで許されるか、著作権の問題、商用フォントの利用など、zineでこれから生じてきそうな課題についてもほとんどがマンガ同人誌の世界で既に問題点が浮かび上がっていると言えます。

というわけで、zineの未来像を考えるなかで、ヒントをみつけたいなあ、と思ったら、ちょっと自分のテーマとは関係ないかもしれませんがマンガ同人誌のサイトをちら見するとヒントが見つかることもあるでしょう(^^

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