2019年10月5日土曜日

100均の老眼鏡で「天体望遠鏡」を作る! 第三弾 スターアロー「ほぼーぐ」




 毎度おなじみ天体望遠鏡工作のお時間がやってまいりました。


 100均の老眼鏡とルーペで作る天体望遠鏡「スターアロー」シリーズもいよいよ第三弾!



 ここまでのあらすじ↓


<1> 100均の老眼鏡で「天体望遠鏡」を作る! スターアロー600
https://arekore-doresore.blogspot.com/2019/08/blog-post_18.html 


<2> 100均の老眼鏡で「天体望遠鏡」を作る! 第二弾 スターアロー380
https://arekore-doresore.blogspot.com/2019/08/blog-post_28.html 





 スターアローとはその名のとおり、「チップスター」の筒と三ツ矢サイダーのペットボトルで作る天体望遠鏡工作です。





 さて話は変わりますが、大一光学製の天体望遠鏡をネットなどで落としてくると、けっこうな割合でダンボールの外箱に



「野鳥観察に!」


なんて言葉が書いてあります。


 天体望遠鏡をふだん覗いている人も、あるいは、星空好きな人も、このセリフには一瞬戸惑うはず。


 というのも、屈折式望遠鏡では、覗いた対象物が逆さまになって見えるので、鳥さんの姿をバードウォッチングしても、逆さまでは見えづらいだろう、と誰もが思うからです。



  なので、まともな天文マニアなら


「うーん、バードウォッチングするなら、正立系のフィールドスコープだよなあ」


とか


「天体望遠鏡で野鳥を見るのは、ちょっとなあ」


とか、そんな疑問がふわっと脳裏に浮かぶはずなのです。




 それでも、あえて野鳥を見るべし!と書いている大一さんの意図が何かあるはず・・・・、と思っていたら、その理由がなんとなくわかりました。


 大一光学系に限らず、天体望遠鏡のセットには、天頂ミラーがおおむね付属しています。ほとんどの運用では、アイピース直視ではなく、間にこの天頂ミラーをかますことが大半だと思います。


 すると、なんということでしょう!!!(ここで、ビフォーアフターのテーマ流れる)



 天頂ミラーを使うと、左右は反転したままだけれども、少なくとも上下は正しい像になっちゃうんですね。


 だから、ある意味強引ではあるけれども、たしかに野鳥観察に使えなくはない、ということになるわけです。



 そこで、ビビビときたのが、



「正立ではないけど、裏像でいろんなものが見られる望遠鏡をつくろう!」


ということですね。



 




 こうして出来上がったのが、これじゃああああ!!!!!


 ああ!なんということでしょう。この特徴的なデザイン、短焦点ならではのコンパクトなスタイル、これはまさに



 トミーテックのボーグ



ではありませんか!!! 赤いけど、ボーグっぽい!!!



 もはや、ほぼボーグということで



スターアロー「ほぼーぐ」


と命名。




~~~~~~~~~~~




 アホみたいかもしれませんが、かなりの設計思想が詰め込まれたシロモノです。



 まず、採用したのは、チップスター(長いほう)の筒一本のみ。

 短いのは使いません。





  それに、今回はたまたま「三ツ矢サイダー50周年記念バージョン(赤)」があったので、そちらを使いました。なので、ペットボトルがグリーンではなく金色なのです。



 なぜ、チップスター通常筒1本のみで延長しないかと言うと、


「天頂ミラーを入れると、合焦位置が伸びる」


からですね。 そうすると、実質的には筒がのびていることと同じになるので、ミラーを入れるがために、筒をあえて短くして調整する必要があるわけです。



 焦点的には、いつもの100均老眼鏡の「3.0」を今回は使います。


■ スターアロー600 → 1.5

■ スターアロー380 → 2.5

■ ほぼーぐ  → 3.0


です。





 今回は、3.0の老眼鏡レンズを搭載。そして、お気づきかもしれませんが、口径をあえて少し絞っています。


 これは、けして、色収差防止のためではない!!!!!



  → えーっと、後ろにある鏡のサイズをけちって小さくしたために、口径をしぼっているのです。笑




~~~~~~~~~


 今回、天頂ミラーを作るに当たっては、算数のお勉強がいくつか出てきます。



<1> ミラー部分のサイズは、ペットボトルがきちんとおさまり取り付けできること。


 → ペットボトルが65ミリ程度なので、それをはめる三角形の台座部分は、75×75の正方形

 (70では小さすぎてムリ)




<2> ミラー部分の斜めのところのサイズは、すなわちルート2なので、75×1.414=106

 → それに伴い、ミラーサイズは正方形ではダメ、本来は長方形



<3> しっかりした厚紙で、三角台座を作ること。のりしろは小さいほうがよい。鏡と干渉しないように。


 




 ↑こんな感じのものを作ります。


 上面それぞれ75×75 底面は75×106になっています。



 もちろん、この底面全体に鏡を敷いてもよいのですが、実は、光路そのものをよく見てゆくと、口径より必要な鏡が大きくなることはないので、口径が40ミリなら


「40×57」


程度の鏡でクリアできることになります。


 今回、松尾さんは、50×50の鏡でケチりましたので、口径40ミリだとちと足りない可能性があり、口径を30ミリ程度に絞ったというわけ。


 


 こんな感じで取り付けます。GPクリアーのボンドで、紙とプラを接着。


 



 青く見えるのは鏡の保護シートです。


 今回は0.5ミリ厚のプラ板に蒸着した鏡を使いました。・・・しかし、結果から言えば精度があまりよくないので、望遠鏡としては像が多少ゆがみます。


 この鏡部分は、ある程度予算をかけてまともなものを使ったほうがいいかもしれませんが、



こんなもんに予算をかける必要もない!!!!



ので、矛盾です。おなじプラ板でも、厚みがもっと厚ければ、像ゆがみが少ないかもしれません。




 人身御供という屍の積み重ねが必要




だと思います。(なので、鏡サイズをけちったりしてしまうのわかるよね?笑)







 でも、こうしていちおう上下は正しくみえる



ほぼーぐ



が完成したので、ヨシとしましょう。野鳥観察のおともに、いかがですか?





※ というわけで予告です。


 スターアローシリーズの集大成!!これが天体望遠鏡の中の天体望遠鏡だ!


 泣く子も笑うあっと驚く新製品が、まもなく登場!


 おたのしみに!







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