おなじ建物内、オフィス内など、基本的に同一環境と思われる空間内でWiFiの回線速度を計測すると、複数の機器でのCPU能力、あるいは機器のトータルの性能に比例して数値が変化することを見つけました。
一般的には、「回線速度」と「機器性能」はそれぞれ独立しているものと解釈されていますが、実際にはおなじ回線を用いる限りではわかりやすくマシン性能に比例して数字が出ますので、
「簡易的なベンチマーク」
として用いることができます。
自分が所有していない機器との比較はできないものの、自分が持っている機器同士では
「どのマシンの性能が高いのか」
を判別するひとつの目安になります。
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速度計測にはFast.comを利用しました。当方のベース回線はeo光です。
◆ Fujitsu MP702 Celeron 877(1.40GHz) メモリ2G
Linux Mint 20.3 WiFi A 200Mbps
◆ iPhone11
WiFi A 510Mbps
WiFi G 92Mbps
WiFiのAとGではかなり数値が変わります。ちなみに計測環境は、WiFiルータとおなじ室内に機器をおいて測っています。(木造一戸建て・リビング内で計測)
ベンチマークの詳細は、機器構成などによって変動するわけですが、ざっくり言っていPhone11は、MP702の2.5倍くらいの性能があることがわかります。
◆ iPad7
WiFi A 480Mbps
WiFi G 74Mbps
◆ iPhone8
WiFi A 420Mbps
WiFi G 82Mbps
◆ iPhone6Plus
WiFi A 170Mbps
WiFi G 48Mbps
◆ iPhone6
WiFi A 180Mbps
WiFi G 50Mbps
◆ iPhone5S
WiFi A 80Mbps
WiFi A 24Mbps
◆ amazon FireHD 10 (第9世代) MT8183 2.0GHz メモリ2G
WiFi A 210Mbps
WiFi G 48Mbps
(ざっくりとした話として、アマゾンのHD10・MT8183オクタコアは、iPhone6程度の性能と言われることが多いですが、おおむね合致していることがわかると思います)
(iPhone6と6Plusの 挙動も、おなじA8で画面の大きいPlusのほうが不利なのではないか?なんて言われていましたが、それを示す数値になっています。(わずかな差ですが)各ベンチマークの数値でも、6のほうが6Plusより少しだけ速いものが存在するのはそのためでしょう。)
◆ amazon Fire HD 8 (第7世代) MT8163V/B 1.3GHz メモリ1.5G
WiFi A 72Mbps
◆ amazon Fire 7 (第7世代) MT8127 1.3GHz メモリ1G
WiFi A 69Mbps
(第7世代くらいのMT8163V/BとMT8127は思ったより差がありませんでした。何度か計測すると逆転する時も)
(おおむね、このあたりでiPhone5Sと同等。それを考えるとiPhoneって基本的にものすごく高性能なのだとわかります。)
◆ amazon Fire HD 10 (第5世代) MT8135 1.5GHz メモリ1G
WiFi A 62Mbps
WiFi G 38Mbps
◆ mouse MADOSMA Q501 Snapdragon410 1.2Ghz メモリ1G
WiFi Gのみ 47Mbps
◆ KTE TYD-108H MT6580 1.3Ghz メモリ2G
WiFi Gのみ 45Mbps
(TYDのタブレットは素性がよくわかりません。CPU-Zでは、MT6592 8コア が載っているとのことですが、WiFi Gしかないので、Aの場合にどこまで速度が伸びるか不明。
Rodoid infoではMT6580の4コア1.3Ghzと表示されます。)
◆ NEC PC-VY20M Celeron575(2Ghz)メモリ2G
XenialPup 7.5 WiFi Gのみ 43Mbps
◆ DG-Q10SR3D RK3188 1.6Ghz メモリ2G
WiFi A 26Mbps
WiFi G 25Mbps
(なぜかWiFi AでもGでも数値が同じようなものです。機種の特性というか、仕様なのかもしれません)
◆ TOSHIBA AT570 Tegra3 1.3Ghz メモリ1G
WIFi Gのみ 35Mbps
◆ iPad3 A5X メモリ1G
WiFi A 28Mbps
WiFi G 15Mbps
(なんとか計測しましたが、実際には途中で止まったようにみえたり、計測そのものがしんどい場合があります。つぎのmomo9も似たような感じですが、WiFi Gで10Mbpsくらいしか出ない機種は、2022年現在ではあまり実用的ではないスペックに相当します。用途を限定すれば使える、という感じですね)
◆ Ployer momo9 Allwinner A10 1.5Mhz メモリ512M
WiFi Gのみ 9.1Mbps
(懐かしの中華タブレットです。Cortex-A8のシングルコアですが、Tegra3が4コアの走りくらいのSOCなので、おおむね性能比通りのような数値比率と思えます。)
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(全体を通してみても、言えることは各機器での「計測値回線速度」は「CPU性能・機器の環境性能に比例する」と言えると思います。なおかつ、気をつけなくてはならないのは「本来値回線速度」はめちゃんこ速い機器でないと計測できない、という点ですね)
(「本来値回線速度」は、本来その回線が持っている最大ポテンシャルを意味しますが、現実的にその人が所有している機器の性能によってボトルネックが発生するようです。「計測値回線速度」は、そのボトルネックによって絞られた数値なので、本来値かどうかはわかりません。
つまり、その人がボトルネックのない「めちゃんこ速い機器」を所有していない限り、本来のポテンシャルはわからない、ということを意味します)
うちの場合はeo光の1Gbpsコースを契約していますが、私が持っている中で最速のiPhone11でも半分くらいの速度しか出ていないことがわかります。
理論値でなくて、実際にどこまで出るのかは、もっと速い機器を所有していないと計測できないということです。
たいへん興味深い結果ですね。
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