あけましておめでとうございます。
昨年の後半は、当ブログの更新頻度がめっきり落ちてしまいましたが、ごめんなさい。全部消費税の駆け込み需要のせいです。本業のほうが大忙しで、ブログをまとめる時間もありません。
今年は、もうちょっといろいろ書いていきたいなあ、と個人的には思っているのですが、まあボチボチお待ちください。
さて、興味深い記事があったので紹介しておきます。
現代ビジネスさんより
「レイヤー化する世界」
記事は田原総一郎さんと佐々木俊尚さんの対談なのですが、昨今のメディアの状況をわかりやすくまとめておられます。
話の概要は、これまでもよく言われているとおり、「大手メジャー」から作品が出せなくなって、個人でもコンテンツを提供できるようになる、という話なのですが、面白いのは、メディア産業だけでなく、自動車産業などのいわゆる「モノ作り産業」でも似たような傾向が起きる、という部分です。
記事は、今後後編へと続くそうなので、楽しみです。
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さて、そうした前提をふまえた上で、当ブログの読者さんに求められていそうなツッコミを入れておきましょう。
大手メジャーに拾われてそこからデビューさせてもらえるごく一部の人たち、というのがいなくなるというのはよくわかります。
素人でも個人でも、ネット等を通じてヒット作を生み出せる人が現れる、というのもわかります。
ところが、こうした言説が広がっている時に、「ネットでヒットを生み出せる個人」の偶発性というか、「たまたま性」というか、そこらあたりをはっきり示していることが少ないように思うのです。
個人でヒットコンテンツを出せる人も、やっぱりごく一部だし、彼らがヒットを続けることも難しい、というのが現状ではないでしょうか。
ある時は、猫の動画が当たり、ある時は、素人アニメが当たり、またある時は、お笑い動画がウケる。けれども、それぞれはまったくの偶発的で、それぞれの作者が一時金銭的に潤っても、次はない、みたいな。
となると、ヒット作は単発消費されるだけで、「当たるかどうか」「ウケルかどうか」は努力や継続とはまったく関係なくなる可能性もあります。
これは、たとえばコブクロさんのように、「路上で実力をたくわえ」「大手に目をつけてもらい」「メジャーでもヒットを飛ばす」という一連の「成功への」流れみたいなものの崩壊を意味するように思うわけです。
大手メジャーの利点は、やっぱりコンテンツ作成者が「育つ」「育てられる」ところであって、それが崩壊した今、「育つことも育てられることもなく、ほうりだされる」という事態が起こっています。
そう、ほうりだされほっとかされたただの一般人たちが、うにょうにょとコンテンツの作成者を目指して活動し、それぞれが大量にコンテンツをほうりだしていて、それが編集者や大手メジャーによって評価され、洗練されることなく、一発当たれば消費されていく。
それがいいか悪いか、という問題を提起したいのではなく、どうもしばらくは「カオス」な状況が続きそうだ、というわけです。
もっと端的にいえば、クリエータは「世界中、みな一発屋になる」ということです。
お笑い界もそうですが、一発屋の大量消費が今のメディアをとりまく実像だと思います。繰り返しますが、それを良いとか悪いとか、そういう基準でとらえようとしているのではありません。
まあ、何かひとつ付け加えておきたいとすれば、「一発ではなく、継続的で積み上げられたコンテンツ」をどう醸成していくかは、これからの課題かもしれません。
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