2019年8月15日木曜日
古生代のラプトルを追え! 天体望遠鏡をマニアする。
初心者向けの天体望遠鏡として、近年多くのマニアや研究者に高評価なのが、スコープテック社の「ラプトル」シリーズだそうですが、
スコープテック ラプトル50
http://scopetown.jp/prod_st_raptor_1.html
この望遠鏡、2007年9月に発売された比較的新しい望遠鏡です。
ラプトルというのは小型の恐竜で、白亜紀にはヴェロキラプトルというほとんど鳥との境界に近い小型竜がアジアにいたり、ジュラシックパークに登場したり、と私たちにも身近な種ですね。
白亜紀を含む中生代というのは、三畳紀にレヴェルトラプトルがいたり、いろいろなラプトルが活躍していました。
ところが、今回は、そのラプトル以前に着目しよう、というわけで「古生代のラプトル」を追いかけてみたいと思います。
いったい何のこっちゃ?と思われるかもしれませんが、2000年代に登場したスコープテックの天体望遠鏡「ラプトル」には、その進化前の「プレ・ラプトル」が存在するのです。
近年は特に電気製品やコンピュータの進化が目ざましく、毎年つぎつぎに新しい新製品やスマホなどが登場しますが、なんとびっくり天体望遠鏡の構成・構造というのは、1970年代からほとんど進歩していません。
ですから2000年代のラプトルの 進化の前に、30年前の同様の設計がベースとしてある、というわけです。
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【大一光学 50D】(DAKOSCO 50D)
というわけで、こいつが進化前のラプトル50です!
□ 口径50㎜ 焦点距離600㎜
□ のぞき穴スコープ仕様
□ 伸縮なし木製三脚 足長さ約900㎜
初期型のラプトル50を知っている方なら、この木製三脚バージョンを覚えておられると思いますが、まさにこれと同じ形ですね!
【スコープテック ラプトル50】
□ 口径50㎜ 焦点距離600㎜
□ のぞき穴スコープ仕様
□ 伸縮なし木製(マイナーチェンジ後金属) 足長さ約900㎜
私が見つけた50Dは、のぞき穴スコープ仕様でしたが、古い大一光学さんのカタログには、スコープの形が異なる50Dが載っています。
(参考 レトロ望遠鏡資料館さん)
http://yumarin7.sakura.ne.jp/retrokan/CsiryouN2F.html
アストロアーツさんのサイトには、旧型のラプトル50の写真があります。
星ナビ機材セレクション
https://www.astroarts.co.jp/review/2008/02/index-j.shtml
現行のラプトルとの大きな違いは、アクロマートレンズの重ねに「錫箔」が三点用いられているところ。
このあたり、昔の望遠鏡っぽい仕上げです。現行品はプラリングになっています。
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さて、↑のプレ・ラプトルと現行ラプトルの「いとこ」みたいな機種もあるので、そちらも紹介しておきましょう。
現行ラプトルには、口径50のラプトル50と、口径60のラプトル60がありますが、この「いとこラプトル」は限りなくラプトル50や60に近いものの、仕様がいろいろ異なるという「いとこ」ぶりが特徴です。
【大一光学 M-60I】 (ミリオン光学OEM)
□ 口径60㎜ 焦点距離600㎜
□ のぞき穴スコープ仕様
□ 伸縮なし金属三脚 足長さ約1100㎜ 開き止めつき
古生代のプレ・ラプトルとの違いは、まず「口径50→60」の大口径化です。
のぞき穴スコープはそのままですが、三脚が現行ラプトルに近い金属製になっています。
プレ・ラプトルは無名でしたが、こちらは銘板つき。
この機種は、アクロマートレンズの分離はプラリングになっていました。
ちなみに、このM-60、ラプトルの60に似ているのか?と言われればちょっと微妙です。
【スコープテック ラプトル60】
□ 口径60㎜ 焦点距離700㎜
□ のぞき穴スコープ仕様
□ 伸縮あり金属三脚 開き止めつき
ようするに、鏡筒も三脚も違うので、ミリオン60はけしてラプトル60ではないことがわかります。
しかし、のぞき穴スコープ仕様であるところが、ラプトルのいとこ、っぽい感じですね。
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ちなみに、全国のラプトルファンのみなさんに、新しいお知らせです。
なんと、ラプトルシリーズに擬態する新種が登場です。
2019年7月に新登場したミザールテックの↓
ミザールテック TS456
http://www.mizar.co.jp/product/view/403
口径45mm 焦点距離600㎜
のぞき穴スコープ(目安リング)搭載。
限りなくラプトルに擬態していますが、よく見ると、のぞき穴スコープの位置がかなり異なります。国産ではなく中国製なところも違うようですね。
口径45というところが、さらなくコストカットの跡が見え隠れしています。
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【追記判明分】
■ オリジナルは大一光学の50Dですが、バリエーションがいくつかあります。
1) のぞき穴スコープ仕様 木製三脚
2) のぞき穴スコープ仕様 木製三脚・金属三脚 (いわゆるラプトル50)
3) 筒型スコープ仕様 木製三脚 (カタログ記載のもの)
これらは3機種とも兄弟ですが、現行のラプトル50は「久保田光学」のレンズを搭載していますが、当時の50Dがどこのメーカーのレンズを載せていたのかは不明です。
■ 大一光学のM-60Ⅰは「ミリオン光学」品と、「ユニックス」品が販売されていたようです。
1) ミリオン光学品は、「million」 のシールが側面に貼られています。 のぞき穴スコープ仕様 金属三脚
2) ユニックス品は、『スペースシャトルF1』 が口径50×600㎜のラプトル兄弟機。ただし、筒型スコープで、三脚なし
3) ユニックス品の『F1‐60』は、口径60×600㎜のミリオン兄弟機、のぞき穴スコープ仕様で三脚なし。
どうも三脚は別添で販売されていたようで、鏡筒廻りだけの製品が多数オークションで出回っています。三脚つきセット販売もあったのでしょうけれど。
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