自作の鼻腔拡張テープを作るために、悪戦苦闘しているこの一連の記事ですが、「リバースエンジニアリング」こと「分解」でブリーズライトなどの「仕組み」がかなり判明してきました。
普通に考えると「あんなもん、テープにプラスチックバーが入っているだけでしょう?」と思いがちなのですが、単純にそれだけとは言えない「科学の粋」が集まっているっぽいのです!
まず、その一番の肝・ポイントは
「二重構造になっている箇所のうち、プラスチックバーはものすごく強力に接着されている」
という点でしょう。これは分解しようとしてみればわかるのですが、正規品のブリーズライトや、100均ダイソーの鼻腔拡張テープは、「分解しようとしても、そう簡単にはバラせない」という大きな特徴があります。
とくにダイソーのものは、手でちぎろうとしても歯が立たず、ハサミで慎重に切っていかないとバラすことすら不可能です。二重貼り合わせ部分も、まったく剥がれません。
オリジナルのブリーズライトのほうも、かなり強固で、なおかつどの製品も、爪などをつかって引っ剥がしにかかると、手が接着剤だらけになり、ベトベトになるのです。
これはどういうことかというと、バーのテンションに負けないように、実際に鼻に貼る部分の接着剤よりも、はるかに二重構造に封じ込めるほうの接着剤が強力だということを示しています。
(その点、セリアのものが一番二重構造が剥がれやすく、次に、1回めで紹介した互換品が剥がれやすくなっています)
では、この製品群の科学的なポイントをまとめてみましょう。
■1 二重構造でバーを封じ込めているが、バーの接着が最も強固でなくてはならない。
■2 肌に接着する部分は、ある程度の強固さと、肌を傷めず剥がれる弱さのバランスが重要。
(肌への接着部分よりも、バーの接着部分のほうが勝っていないと、いけない)
■3 テープの端部は、テコの原理が応用されている。形状が重要。
この形状については、ふつうに考えてもわかりますが、両端が広がっていることで、バーのテンションを分散することができるようになっています。つまり「鼻から剥がれようとする力」を分散させることで、長時間持たすことができるようになっているのですね。
自作で作ろうとする場合は、この形状を出すのがかなり面倒なので、自作しておられる人の場合、「もとから幅広いテープでベッタリと貼る」ことをやっている人もいますが、そうすると肌への接地面積が広ければ広いほど、肌を荒らす確率が上がりますので、それはそれで問題です。
かぶれてしまっては接着タイプの鼻腔拡張テープを継続して使えない事態になるので、本末転倒になってしまいますね。
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まあ、こうしたことを絶妙なバランスで成立させようと思うと、本家ブリーズライトのように「高価格商品になってしまう」というのはよくわかります。
あまたの類似製品は、どこかの部分をコストダウンしながら(たとえば、基材テープの通気性をなくしてしまうとか、ダイソー系のようにバーをケチるとか、あるいはそもそも人体実験をあまりしておらず、形状だけ真似しているとか)作られているということかもしれません。
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