2024年12月30日月曜日

ブリーズライト(鼻腔拡張テープ)の再利用 自作・鼻腔拡張テープ その6 いよいよ完成 手作り 拡張テープ!

  これまで5回に渡って「鼻腔拡張テープ」のしくみについて研究してきましたが、いよいよ今回は「自作鼻腔拡張テープ」の完成版の報告です!


 まず、まとめですが「ブリーズライト」のオリジナルは価格は高いものの、それだけかなり研究されていて、使われている素材も考えうるなかでは最高のものがチョイスされています。 

 なので一枚あたり50円くらいするのは、これはもう致し方ない!とまずは尊敬の念を抱いておきましょう(笑)


 で、その互換品というか、あまたある安めの「鼻腔拡張テープ」は玉石混交で「良さげなもの」もあれば「残念なもの」もあります。こればっかりは実際に試してみないとどうしようもないので、購入してレビューしてみた結果では


■ 100均で売られている製品3点については

■ セリア系・ブレススルーは○ ダイソー系・鼻腔拡張テープは△ ワッツ系・鼻腔拡張テープは△ 


ということになりました。(以前の記事を参照のこと)


 さて、コストでは、100均を利用すると110円で6枚入なので一枚18.4円 一ヶ月では550円くらいかかります。


 アマゾンで最安品を探すと、1枚12〜14円程度のものが見つかるので、一ヶ月400円前後ということになります。もちろん、アマゾン利用でもいいですが、入手性などを考えると「セリアでブレススルーを買ってゆく」のもアリでしょう。


(本家ブリーズライトだと一ヶ月1500円くらいかかりますので、100均でも1/3のコストで済むからです)


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 さて、そこでこの鼻腔拡張テープを自作すると、どれくらいコストを抑えられるのか?ということになります。


 これまで5回の連載を通じて徹底的にこれらの商品のしくみをリバースエンジニアリング(笑)してわかったのは、


■ 肌に貼るテープ基材の粘着力に、まず一定のクリアすべき基準がある

■ プラスチックバーとテープ基材を接着するのにも、クリアすべき基準がある

■ バーの長さや、厚み(反発力)にもクリアすべき基準がある


という3つのポイントでした。今回はいよいよ、これらすべてを満たす製品(?)を世に送り出しましょう!!


 それでは以下作り方です。


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 基準としているのはセリア系・ブレススルーに内蔵されているプラスチックバーです。これを取り出して「再利用する」のでもいいし、後述するように、バーから自作してもかまいません。


 バーから作る場合はペットボトルから切り出します。なるべくつるっとしているデザインのものがよいですね。柄入りはデコボコしています。

 炭酸が強い飲料のものは、PET基材のほかに炭酸抜け防止フィルムが重なっている場合があるので、要注意です。フィルムを剥がすか、ないものを使うか、そのあたりで反発力も変わってくるので、お好みで。

 フィルムなしで炭酸入のものが、もっとも分厚いと思います。



 PETボトルから切り出した「プラスチックバー」は↑こんな感じ。たくさん量産できますし、飲み物を飲んだゴミから取りますので、実質ゼロ円とカウントします。


 ■ サイズは5ミリ✕50ミリ(5センチ)


を基準とします。自作派の方は、数を作ってみながらお好みで調整してください。


 ブレススルーに内蔵されているプラスチックバーも、おなじサイズです(5ミリ✕50ミリ)

 本家ブリーズライトは、より細いものが2本ないし、ラインナップによって3本入っています。(長さはおなじく50ミリ=5センチです)



 次にテープ基材は「ニチバンのテーピングテープ12ミリ・19ミリ 2巻入」を基本としましょう。

 さまざまなサージカルテープ、あるいはポアテープを試しましたが、最終選考に残ったのはこれらです。(ニチバンの布ばんそうこうもOKですが、一枚あたり価格的に↑のテーピングが安いです)


 12ミリを使うか、19ミリを使うかは、人によって好き嫌いあります。


 12ミリが基本。この太さだと市販の鼻腔拡張テープに近いです。ただし、寝ている間に剥がれるなあ、という人は19ミリにしてください。

 19ミリは肌にがっつり付きますので、皮膚を痛めそうと思う方は12ミリを選びましょう。


★ テーピングテープはゴム系接着剤です。ゴムアレルギーの方は注意!

★ 市販鼻腔拡張テープはアクリル系接着剤です。




 テープを切って、プラ板など「いったん仮置してもあとできれいにはがせる台」の上に貼ります。シール台紙みたいなものの上で作業してもいいですね。


 12ミリのほうは7センチに切ります。19ミリのほうは6センチでOKです。

 12ミリのほうは睡眠中に剥がれる可能性があるため、1センチよけいに長くしています。


 先程用意したプラスチックバー(取り出したものor自作したもの)を木工ボンドで貼ります。実は木工ボンドそのものではPET素材は完全には接着されないのですが、ボンドの樹脂でテープ基材に封入してゆく作業を行います。閉じ込めてしまう感じです。



 バーをテープの中央に貼ります。上はブレススルーのバー、下は自作ですが、こうなるとほとんどいっしょですね。違いはほぼありません。コンマレベルで厚みが違うとか、そういう差しかありません。



 バーを封入するために、適当な紙を切って、テープ基材とおなじサイズの紙片を作ります。

 コピー用紙でも、チラシとかの雑紙でも、なんでも大丈夫です。どうせ使い捨てするので、そこらへんにあるゴミでも可。

 写真で使っているのはコピー用紙の裏紙、捨てるやつです。


(使用感をやわらかくしたい場合は、端切れの布とか、和紙とかを貼り付ければ、肌触りのいい風合いになります)



 バーを封入するために、テープと紙片を木工ボンドで接着します。うすーく塗るのでかまいませんが、まんべんなく塗っておきましょう。

 バーの周囲には余白がありますが、そこもボンドをていねいに塗っておいて完全に封入します。

(実験段階では両面テープなども使ったのですが、両面テープだけではバーの反発力に負けて剥がれてしまったので、基材テープと、バーと、紙カバーを樹脂で一体化して封入する感じになります)



↑完成品。


 しっかり押さえて完全封入しています。


 これでボンドが乾くと使えますが、木工ボンドは酢酸ビニルなので、酢の匂いが気になる人が多いと思います。半日程度で完全に乾くと匂いがなくなるので、作ってすぐ使うのではなく、ある程度ストックを作っておいて、あとで使うようにしましょう。


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 さて、気になるコストです。テーピングテープは、

■ 幅12ミリの12mが2巻入で 400円程度(税込み440円くらい)

■ 幅19ミリの12mが2巻入で 600円程度(税込み660円くらい)

で買えます。


■ 幅12ミリバージョンは 約340本 取れます。(@1.3円)

■ 幅19ミリバージョンは 約400本 取れます。(@1.65円)


木工ボンドは300回〜400回分はじゅうぶん入っていますので、これも100均で買えば一回あたり0.3円とかですね。


すると


■ 幅がどちらでも一枚あたり約2円で製作できる


ということになります。


 2円だと一ヶ月分30枚作っても 60円しかかかりません!!


 ていうか、よく考えたらテーピングテープ2巻入を一回買えば、1年間大丈夫、ということですね!(約340〜400本取れるからww)


 ぜひみなさんも試してみてください。



2024年12月15日日曜日

ブリーズライト(鼻腔拡張テープ)の再利用 自作鼻拡張テープ その5 数々の失敗(屍)を超えてゆけ!

 

 理屈としての「鼻腔拡張テープ」の構造はしっかり理解できたのですが、ではそれを激安で自作再現できるか?というと、なかなかそう簡単に問屋がおろさない毎日です。


 毎晩、自作の実験テープを作っては、途中で剥がれてしまったり、外れてしまったりを繰り返しており、「失敗は成功のもと」を体験している真っ最中!


 では、どんなものを使うとダメか、「失敗作」を紹介してゆきましょう!


 基本的には、6センチくらいのものを作り、二重にしています。真ん中にバーを挟み、上から「ニチバン紙ばんそうこう」(約200円くらい)でフタをしています。





 この「ニチバン紙ばんそうこう」は、ダイソーの鼻腔拡張テープにバーを重ねて貼り付ける際には、かなり食いつきがよかったので、試用しています。




✕✕✕ <プラスチックタイプ> サージカルテープ・ポアテープ



 100均で買えるサージカルテープ系のうち、プラスチック製のものは、瞬殺で外れます。バーの強度うんぬん以前の問題で、接着力が弱いようです。使えません。



✕ <不織布タイプ> サージカルテープ


 プラタイプよりは、接着力があり、肌にしばらく食いつきますが、それでもバーの反発力に負けて途中で剥がれてしまいます。これも残念ながら、長時間の使用には耐えられません。


▲ <綿タイプ> 布ばんそうこう・テーピングテープ

 


 この連載の当初から使っているテープですが、8時間睡眠のうち半分くらいは食いついているのですが、朝方に剥がれてしまいます。ただ、「ダメ」というわけではなく、現在チューニングの真っ最中です。

 どういうことかというと、バランスによって、「肌から剥がれてしまう」場合もあるし「二重箇所のうち、バーだけが持ち上がってしまい、下の部分は肌に残っている」場合もあるのです。

 つまり、バーの二重接着部分の微妙な力加減で「上が剥がれるか、下が剥がれるか」みたいなことが起きているっぽいです。


 チューニング次第では、成功するかもしれません。


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 まだまだ研究は続きます!



ブリーズライト(鼻腔拡張テープ)の再利用 自作鼻拡張テープ その4 分解して判明してきたすごい仕組み!

 

 自作の鼻腔拡張テープを作るために、悪戦苦闘しているこの一連の記事ですが、「リバースエンジニアリング」こと「分解」でブリーズライトなどの「仕組み」がかなり判明してきました。


 普通に考えると「あんなもん、テープにプラスチックバーが入っているだけでしょう?」と思いがちなのですが、単純にそれだけとは言えない「科学の粋」が集まっているっぽいのです!


 まず、その一番の肝・ポイントは


「二重構造になっている箇所のうち、プラスチックバーはものすごく強力に接着されている」


という点でしょう。これは分解しようとしてみればわかるのですが、正規品のブリーズライトや、100均ダイソーの鼻腔拡張テープは、「分解しようとしても、そう簡単にはバラせない」という大きな特徴があります。


 とくにダイソーのものは、手でちぎろうとしても歯が立たず、ハサミで慎重に切っていかないとバラすことすら不可能です。二重貼り合わせ部分も、まったく剥がれません。


 オリジナルのブリーズライトのほうも、かなり強固で、なおかつどの製品も、爪などをつかって引っ剥がしにかかると、手が接着剤だらけになり、ベトベトになるのです。


 これはどういうことかというと、バーのテンションに負けないように、実際に鼻に貼る部分の接着剤よりも、はるかに二重構造に封じ込めるほうの接着剤が強力だということを示しています。

(その点、セリアのものが一番二重構造が剥がれやすく、次に、1回めで紹介した互換品が剥がれやすくなっています)




 では、この製品群の科学的なポイントをまとめてみましょう。


■1 二重構造でバーを封じ込めているが、バーの接着が最も強固でなくてはならない。

■2 肌に接着する部分は、ある程度の強固さと、肌を傷めず剥がれる弱さのバランスが重要。

(肌への接着部分よりも、バーの接着部分のほうが勝っていないと、いけない)

■3 テープの端部は、テコの原理が応用されている。形状が重要。

 この形状については、ふつうに考えてもわかりますが、両端が広がっていることで、バーのテンションを分散することができるようになっています。つまり「鼻から剥がれようとする力」を分散させることで、長時間持たすことができるようになっているのですね。


 自作で作ろうとする場合は、この形状を出すのがかなり面倒なので、自作しておられる人の場合、「もとから幅広いテープでベッタリと貼る」ことをやっている人もいますが、そうすると肌への接地面積が広ければ広いほど、肌を荒らす確率が上がりますので、それはそれで問題です。


 かぶれてしまっては接着タイプの鼻腔拡張テープを継続して使えない事態になるので、本末転倒になってしまいますね。


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 まあ、こうしたことを絶妙なバランスで成立させようと思うと、本家ブリーズライトのように「高価格商品になってしまう」というのはよくわかります。


 あまたの類似製品は、どこかの部分をコストダウンしながら(たとえば、基材テープの通気性をなくしてしまうとか、ダイソー系のようにバーをケチるとか、あるいはそもそも人体実験をあまりしておらず、形状だけ真似しているとか)作られているということかもしれません。